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オーストラリアGP決勝結果

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F1開幕戦オーストラリアGP・決勝結果
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決勝日は快晴、路面温度は23度。グリッド上ではレッドブルのエイドリアン・ニューウィーがロータス・ルノーGPの前方排気システムをしげしげと眺めている。1980年のワールド・チャンピオンであるアラン・ジョーンズが同郷のマーク・ウェバーの激励に訪れた。そしてスタート前、東北関東大震災、ニュージーランド地震、オーストラリアの水害に関して、犠牲者に1分間の黙祷が捧げられた。ザウバーの小林可夢偉は、喪章を付けてのレースとなる。フォーメイション・ラップ開始、各車オプション・タイヤでのスタートが目立つ。スタートでのダッシュに向け各車激しいウィービングを繰り返す。
シグナル・ブラック・アウト、いよいよ開幕戦オーストラリアGP決勝がスタート。1コーナーはポール・ポジションのヴェッテルがホール・ショット。2番手を争い激しくインを突くハミルトンにウェバーが応酬。ペトロフ4位、可夢偉は8位、フォース・インディアのルーキー、ディ・レスタが10位までジャンプ・アップ。ターン3でシューマッハーとバリチェロがコース・オフ、シューマッハーはペレスに当てられて左リア・タイヤを失い、ピットへ戻って最後尾まで下がってしまう。オープニング・ラップ、ヴェッテルは1周で既に2秒4ものリードを築いてしまった。3周目、マッサの後方にバトンが食らいつき、DRSがレース中初可動。、しかしここではマッサがで上手く逃げる。バトンは数周に渡ってマッサに挑むがなかなか抜けない。序盤のオーダーは1位ヴェッテル、2位ハミルトン、3位ウェバー、続いてペトロフ、マッサ、バトン、アロンソ、ロズベルグ、8位に可夢偉。
9周目、アロンソがマッサとバトンの5位争いに追いついて来た。ハミルトンが1分32秒310で最速ラップを記録。その頃、レッドブルではウェバーとヴェッテルが相次いで「リアがタレ始めている」と無線レポート。11周目、ウィリアムズのマルドナドがターン9でストップし、今季リタイア第1号。バトンが5位マッサのインを突くが締められ、コース外を通って前へ。この行為は審議対象となる。12周目、ウェバーがピット・インし、プライム・タイヤへ交換し、9位へ後退。フェラーリ勢もピット・イン、こちらはオプション・タイヤへの交換。ハミルトンはペース・アップし徐々にヴェッテルに近づいて来る。15周目にヴェッテルがピット・イン、オプション・タイヤへ交換。ウェバーとは作戦が違うようだ。ここでバトンにドライブ・スルー・ペナルティ決定。本人は無線で言い分をブチまけるが、今シーズンを前に4輪全てがコース外に出て走る行為に対して厳罰、と言う決定が行われたばかり。ちなみに今回のレース・スチュワードは2年連続でジョニー・ハーバート。
16周目、タイヤ交換を終えたアロンソが最速ラップ更新。ハミルトンがピットへ入り、オプション・タイヤへ交換、ヴェッテルのすぐ後でコースへ戻る。続いてロズベルグ、可夢偉、スーティルらが続々とタイヤ交換。18周目、バトンがドライブ・スルー・ペナルティ。同じ頃チーム・ロータスのコヴァライネンがこのレースの周回遅れ第1号となった。中団ではトロ・ロッソのアルグエルスアリがスーティルを追いかけ回し、ラン・オフ・エリアを使ってオーバー・テイクして14位へ。ただしこちらは2輪のみのはみ出し。20周目、バトンがようやくタイヤ交換し、オプションへ。ブエミの後12位まで後退。21周目、スロー・ダウンしていたコヴァライネンがストップ。ロータス・ルノーGPのハイドフェルドがスーティルの後方でDRSを使うが届かない。メルボルンのホーム・ストレートはDRS向きではなさそう。23周目、シューマッハーがピットへ戻りリタイア。予選で失敗したバリチェロが可夢偉、ロズベルグを相手に大バトル、強引にロズベルグのインを突いて両車接触、ロズベルグはマシン・サイドから白煙を上げてリタイア。バリチェロはピットでフロント・ウィング交換。こちらも審議対象。これで可夢偉が8番手へ上がる。
25周目、巻き返しをはかるバトンがストレートで可夢偉を豪快にパスし、8位へ。27周目、ウェバーが2度目のピット・イン、またもオプションでコース復帰。ウェバーは3ストップのようだ。続いてアロンソ、こちらもオプション・タイヤをチョイス。トップを快走するヴェッテルはまだペースが落ちない。ここでバリチェロにドライブ・スルー・ペナルティ決定。30周目、ニュー・タイヤ装着のアロンソが1分30秒097を記録。この時点でオーダーは1位ヴェッテル、2位ハミルトン、3位ペトロフ、以下マッサ、ウェバー、アロンソ、バトン、可夢偉、ブエミ、スーティルと続く。32周目、マッサが2度目のピット・イン。可夢偉もピットへ入りプライム・タイヤへ交換、このままフィニッシュまで行く計算だ。ハミルトンがマシンのフロアを壊し、火花を上げながらの走行となっている。ただ、ペースは32秒台のままなので、とりあえず大きな影響はない模様。5位アロンソがウェバーとの差を徐々に詰めて来た。36周目、ヴェッテルは再び無線でタイヤのタレを訴え、ピットへ。残り22周でプライム・タイヤへ交換。続いて2位ハミルトン、3位ペトロフもプライム・タイヤへ交換。彼らはオプション→オプション→プライムの2ストップ作戦らしい。ここから先はタイヤ・マネージメントが勝負の鍵となる。
38周目、フォース・インディアのスーティルがピットへ入り、可夢偉が9番手へ上がる。可夢偉の前にはまだピットへ入っていないディ・レスタがおり、実質的には8番手。トップ勢ではフェラーリ勢がまだピット・インを残している。アロンソはまだウェバーを追いかけ回しているが、バトルによるタイム・ロスも大きい。40周目、まだ1度しかタイヤを代えていないルーキーのペレスが29秒台で最速ラップを記録、しかもザウバーのピットからはなんと「前のバトンを抜け」との指示。42周目/残り16周、ウェバーがピット・イン、オプション・タイヤをチョイス。続いてアロンソも入り、アウト・ラップでドタバタしたウェバーの前へ出る。ウェバーは必死にアロンソに食らいつく。アロンソには無線でKERSのチャージが指示され、フェラーリは徹底抗戦の構え。48周目、DRS使用でバトンがマッサを攻略、その後マッサは3度目のピット・イン、この時点で可夢偉の8位確定。
50周目、アロンソが最速ラップを更新。オーダーは1位ヴェッテル、2位ハミルトン、3位ペトロフ、続いてアロンソ、ウェバー、バトン、ペレス、可夢偉、ブエミ、マッサのトップ10。ドタバタしたバリチェロがピットでマシンを降り、ウィリアムズはメルセデスGP勢と共に開幕戦2台全滅。7位を走るペレスはどうやらギャンブル的なタイヤ1回交換作戦の模様。ペースは上がらないがポジションを死守。後方ではマッサとブエミが激しい9番手争いを繰り広げている。ニュー・タイヤのマッサが右に左に攻め立て、54周目の1コーナーで遂にオーバー・テイク、これでマッサが9位へ。55周目、アロンソが29秒台を連発して3位ペトロフに迫る。昨年最終戦のリベンジに燃えるアロンソ。しかしペトロフも盤石の態勢。結局オーダーは代わらず、ディフェンディング・チャンピオンのヴェッテルが2011年開幕戦を余裕で制し、2位ハミルトン、3位に殊勲のペトロフ。アロンソに続いて5位でフィニッシュのウェバーがチェッカー直後にコース・サイドにマシン・ストップ。6位にバトン、7位には奇跡の1ストップ作戦でペレスがデビュー・ポイント・フィニッシュ、可夢偉も8位でザウバーはダブル入賞。9位マッサ、10位ブエミまでが入賞。続いてスーティル、ディ・レスタ、アルグエルスアリ、ハイドフェルド、トゥルーリ、ダンブロシオまでが完走。表彰台にはF1史上初のロシア人ドライバーが立ち、喜びを爆発させた。

F1開幕戦オーストラリアGP・決勝結果

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ヴェッテルと「変態カイリー」は完全にレースをコントロールする強さを見せつけた。反対にウェバーはまずタイヤを攻略しなくてならない課題を残す地元レースとなってしまった。ハミルトンもマクラーレンの下馬評を覆す快走。フェラーリは今季もタイヤが温まらない問題と闘わなくてはならないよう。そして何よりも2年目のペトロフ、デビュー戦のペレス。ペトロフもクビサを失い、ハイドフェルド起用でドタバタしていたチームにキッチリと存在感と成長を見せつけ、ルーキーのペレスはまさかの1ストップ作戦でエースの可夢偉を上回る大殊勲。ロシアとメキシコからは英雄が誕生したと言って良いだろう。