記事一覧

HRT、チャンドックを告訴か

ファイル 13-1.jpg

HRTは、2010年シーズン中盤までチームのドライバーを務めたカルン・チャンドックを契約違反で告訴する可能性が出て来た。
続きHRT代表コリン・コレスはマスコミに対し「チャンドックが書類上の契約義務を果たさなかった。我々は待ったが、改善が見られなかったためにドイツGPで途中解雇された」と語った。一説ではチャンドックのスポンサーは本来800万ユーロ(約8億6千万円)のスポンサー料を約束していたが、結局200万ユーロ(約2億1千万円)しか支払わなかったと言われている。コレスは「このおかげでマシンのグレード・アップの予定がパーになった」と怒り心頭だった。

HRTはF1参戦初年度の2010年、チャンドックとブルーノ・セナの新人ふたりでシーズンをスタート、しかし途中で山本左近、クリスチャン・クリエンとテスト・ドライバー契約を結び、第10戦イギリスGPでセナに代えて山本を起用、翌第11戦ドイツからはセナが復帰し、チャンドックに代えて山本が出走。チャンドックの出番はこれ以降なかったが、第15戦シンガポール、第18戦ブラジル、第19戦アブダビでは山本に代えてクリエンが出走、という事態となった。コレスは「我々は、4人のドライバーを自由に使い分けることが出来る」と発言していたが、結局チャンドックはドイツGPの時点で既に再出走の可能性を失っていたことになる。しかし、もしもチャンドック側が更なる支払いが可能だったら再出走も考えられた筈で、それは後半戦の山本とクリエンの交代劇を見れば明らかである。事実チャンドックは解雇後もチームに帯同しており、山本が「食中毒による腹痛のため欠場」とされ、クリエンが乗った第15戦シンガポールでは、明らかに元気そうな山本がピットでFIAカメラに笑顔で手を振る映像が流れた。毎戦毎戦、舞台裏ではコレスの交渉術が各ドライバーのマネージメントと火花を散らしていたのだろう。