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バトン、フェラーリ戦略批判

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マクラーレンのジェンソン・バトンが、自身のペナルティの原因となったマッサとフェラーリの戦略について語った。
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バトンは、オーストラリアGP決勝でコーナーを通らず、エスケープ・ゾーンをショートカットしてフェリペ・マッサの前に出たが、順位をすぐに戻さなかったのはチームからの指示だったと述べた。また、フェラーリはバトンにドライブスルー・ペナルティを科させるため、わざとマッサをピット・インさせたのかも知れないと発言。実際スチュワードはこの状況を見てすぐさま審議に入ったが、その間にマッサはピットに入り、バトンはマッサにポジションを返すことが出来なくなった。結局スチュワードはバトンにドライブスルー・ペナルティを科した。バトンは「マッサは遅かったけれど、オーバー・テイクするのは難しかった。おかげでふたりともペースが大幅に落ちてしまい、僕はターン11か12でマッサにオーバー・テイクを仕掛けた。そうしたら彼はコーナーに深く切り込んで来て、僕を押し出したんだ。そのために僕はコーナーを回ることが出来ず、仕方なくショート・カットした。コーナーに入る前には僕の方が前に出ていた。それ以外、どうすることも出来なかったよ。チームからは『今の位置をキープし、スチュワードの意見を待とう』と言われた。でもフェラーリは状況を見てすぐにマッサをピット・インさせた。そしてそのすぐ後にドライブスルー・ペナルティが出たんだ。もちろん、あれが故意かどうか分からない。でも僕はドライブスルー・ペナルティを受け、後方から挽回しなければならなくなったんだ」と語る。マクラーレンのマーティン・ウィトマーシュも「マッサをパスした際に彼に押し出されたと思ったとは言え、結局はドライブスルー・ペナルティを科せられた。もしもペナルティを受けていなければ、ジェンソンは表彰台でセバスチャンやルイスと共にシャンパン・ファイトが出来た筈だが、これがモーター・レーシングなんだ」と悔しがった。

…実は、フェラーリは昨年のイギリスGPでフェルナンド・アロンソが今回のバトンと同様の状況に陥った。アロンソがやはりコーナーをショート・カットしてルノーのロベルト・クビサを抜き、その後でクビサがリタイアしたためポジションを戻すことが出来ず、ドライブスルー・ペナルティを受けている。フェラーリのステファノ・ドメニカリは「我々はシルバーストンで同じ状況を経験している。今回のスチュワードの決定は正しいと思うよ。ジェンソンはシケインをカットしたんだからね!」…相手は違うが、フェラーリ的にこれは「勉強した」末の戦略だったのかも知れない。