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ハミルトン「RB7は違法」

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マクラーレンのルイス・ハミルトンは、レッドブルRB7のフロント・ウイングがフレキシブルで違法だと主張している。
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ハミルトンはオーストラリアGP終了後、「皆あの路面に向けて曲がっているフロント・ウイングを見ただろう?、レッドブルはフレキシブル・ウイングで違法にコンマ5秒稼いでいるんだ」」と発言。しかし、FIAはレッドブルのマシンには如何なる違反も見つからなかった、と述べている。オーストラリアGPで、レッドブルのメカニックたちが何度もRB7フロント・ウイングのダメージを気にしていたこともこの件の疑惑を深めたようだが、事実、昨年レッドブルとフェラーリのフロント・ウイングはフレキシブルなのではないか、とライバルチームから言われ、FIAは厳格な検査を行ったが両チームともこれにパス。しかし、今年もハミルトンはレッドブルのウイングを疑っている。「FIAが規則の抜け穴をふさがないと言うのなら、僕達(マクラーレン)もコピーするまでだよ」
一部ではマクラーレンはFIAに対して抗議を申し立てることを検討しているというが、FIA技術委員のチャーリー・ホワイティングは「違反したところは全く見つからなかった。あのマシンは合法だ」と述べている。またレッドブルのモータースポーツ・コンサルタント、ヘルムート・マルコもハミルトンの主張に対し「また去年と同じだ。彼らは何度も何度も同じことをしようとするんだ。だが我々は、毎回テストをパスしているんだよ」と反論している。

オーストラリアGP決勝後、勝ったヴェッテルのレッドブルRB7のフロントをまじまじと覗き込んでいたハミルトン。もちろんこうしたドライバーからの「目線」を元にした声がFIAの技術委員に届くことは少ないが、メディア/世論を使ってレッドブルにプレッシャーをかけることは可能である。また同時に、これは「それさなけりゃ追いついたぞ」と言う、ハミルトン/マクラーレンからの挑戦状でもあるのだ。
また、事実マクラーレンは、シーズン・オフのテストで速さ、信頼性の両面で明らかにライバルたちから後れをとっていた。しかし彼らは開幕戦までに大きくマシンを変更し、エキゾースト・システムにはレッドブル型を採用。これでパフォーマンスは大きく向上し、予選/決勝ともにハミルトンがヴェッテルに次ぐ2位を獲得している。レッドブルのテクニカル・ディレクター、エイドリアン・ニューウィーは「マクラーレンは、我々のエキゾーストをコピーすることで大きな飛躍を遂げたと言わざるをえない。このシステムは我々のマシンに於いて上手く機能しているが、マクラーレンでも良く機能したようだ。つまり我々のシステムが優れていたということだが、これによって彼らの方が勝ったら悔しいね」と語っている。
2011年、レッドブルVSマクラーレンの構図が早くも見えて来た。