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ローマGP案消滅

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イタリア・ローマのジャンニ・アレマンノ市長は、かねてから模索していたF1ローマGPの開催を断念した。
続きローマは現状のモンツァで行われるイタリアGPはそのままに、イタリア国内での2戦目となるヨーロッパGPとしての開催、あるいはモンツァとの交互開催を提案していたが、バーニー・エクレストンはローマ市長に対し、イタリアでは年間に1レースしか開催しないことが決定したとの手紙を贈り、更にモンツァ側が交互開催を拒否したとのこと。市長はこれを受け「我々は邪魔をするつもりはない。これを機にローマGPのプロジェクト全体の見直しを行う」と述べた。これにより、事実上F1ローマGP案は絶たれた。

F1世界選手権は原則として一国一開催である。が、現在F1カレンダーの中に同一国二開催がないかと言うとそうではなく、バルセロナのスペインGPの他、同じスペインのヴァレンシア市街地を利用した「ヨーロッパGP」が存在しており、事実上一国二開催となっている。この「ヨーロッパGP」という名称はFIAにとって極めて便利なものであり、この一国一開催の原則を守りつつも、F1人気が高く、集客が見込める国でもうひとつのグランプリを開催する際に利用される。現状のヨーロッパGPがスペイン開催なのはF1で2度の王座を獲得したスペインの英雄、フェルナンド・アロンソの人気による。また、ミハエル・シューマッハー全盛期にはドイツGPと「ルクセンブルグGP」が存在し、我が日本でも鈴鹿の日本GPと岡山TIサーキットでの「パシフィックGP」が存在したことがある。
同様に、実はイタリアでも1981年から2006年まで、隣国の名を借りた「サンマリノGP」がイモラ・サーキットで行われていた経緯がある。つまり、現在の人気の割合を考えると、FIAは当分、スペイン以外の国での二開催は考えていない、というのが本音なのだろう。