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マレーシアGP決勝結果

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マレーシアGP決勝結果
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第2戦マレーシアGP決勝

決勝日のセパン上空は曇り空。気温28度、路面温度31度。最終コーナー寄りに雨雲はあるが、ブエミの無線に「雨は降らないだろう」とのレポート。湿度83%、アロンソはダミー・グリッドでマシンを降り、レーシング・スーツを脱いで汗を拭っている。ロータス・ルノーGP勢は決勝日を前にスターティング・グリッドが左右変わったことに憤慨。フォーメイション・ラップがスタート、上位勢はオプション・タイヤでのスタート。
シグナル・ブラック・アウト、スタート位置に文句があった筈のルノー勢が素晴らしいスタート、ハイドフェルドがヴェッテルの直後2位へ、ペトロフは5番手にジャンプ・アップ。3番グリッドのウェバーはスタート大失敗で可夢偉との9位争いとなり、アロンソもマッサの後へ下がってしまう。シューマッハーはポジションを3つ上げた。オープニング・ラップはヴェッテル、ハイドフェルド、ハミルトン、バトン、ペトロフ、マッサ、アロンソ、シューマッハー、ウェバー、可夢偉。スタート・リプレイを観ると、ウェバーはKERSを使っていなかった。あっと言う間に可夢偉がウェバーを抜き返し、9番手へ。
3周目、バリチェロのウィリアムズがホーム・ストレートで左リア・タイヤをバーストさせてスロー・ダウン。ゆっくりと1周してようやくピットへ入り、タイヤを変えてコースへ復帰。5周目、フェラーリのマッサがペトロフのロータス・ルノーGPを抜き、5位へ。シューマッハーへの無線で「5〜10分で小雨」との情報。6周目、ウェバーが最終コーナーで可夢偉を抜き返すも、直後の1コーナーで可夢偉が差し替えす。両者数周に渡って抜きつ抜かれつの大バトルを展開。8周目、ヴェッテルが無線で「タイヤにバイブレーションが出ている」とレポート。11周目、ウェバーが真っ先にピット・インし、オプション・タイヤでコース復帰。ハミルトンはハイドフェルドを抜けない。ハイドフェルドがKERSを使って、見事なディフェンスを繰り広げている。13周目、ハミルトンがピット・イン。可夢偉が1コーナーでシューマッハーをアウトから豪快に抜いて8位。14周目、ヴェッテル、バトン、マッサ、ハイドフェルドがタイヤ交換。ハミルトンから無線で「雨が来た」とのレポート。ニック・フライがピット・ロードで降り加減を確認、まだポツポツ程度。15周目、シューマッハーがピットへ。これで1位ペトロフ、2位ヴェッテル、3位可夢偉。マッサはピット作業で左フロント交換に時間がかかり激怒。チーム・ロータスのトゥルーリがピット作業後、1コーナーを飛び出している。
16周目、雨は止み、中団でペレス/ザウバーとディ・レスタ/フォースインディアのルーキー同士がバトルを繰り広げている。ここでトロ・ロッソのブエミにピット・レーンのスピード違反で10秒ストップの裁定。18周目、可夢偉が全ドライバー中最後にピット・インし、11番手でコース復帰。前がヴェッテルだけになったハミルトンが徐々にペースを上げ、アロンソも続く。ペースの上がらないウェバーが無線で「次のピット・ストップでフロント・ウィングを上げてくれ(もっとダウンフォースが欲しい)」と注文。22周目、マッサがウェバーを抜いて6位。抜かれたウェバーはピット・インし、オプション・タイヤに交換、まだプライムは使わず、これでウェバーの3ストップ以上の作戦が決定。可夢偉が再びシューマッハーに追いつき、激しい9位争い。24周目にバトンがオプション・タイヤに交換。25周目、ハミルトンがトップ・グループで最初にプライム・タイヤへ交換。これにヴェッテルも続き、オプションを選択。ここでペレスがホーム・ストレートでストップし、リタイア。この時点でのトップ10オーダーはアロンソ、ハイドフェルド、マッサ、ヴェッテル、ペトロフ、ハミルトン、バトン、ウェバー、シューマッハー、可夢偉。
27周目、アロンソがオプションへ交換。ヴェッテルが1コーナーでDRSを使ってマッサをパス。抜かれたマッサはピットへ入りオプション・タイヤへ交換。28周目、可夢偉が1〜2コーナーで見事なクロス・ラインを使ってシューマッハーをパス。ヴェッテルが無線で何度となく「KERSを使うか」と聞き、チームが「使うな」と言うやりとりが続き、それを知ったマクラーレン勢が「ヴェッテルはKERSを使えない/近づけば抜ける」とメッセージ。両チームの戦略が見え隠れする。33周目、いよいよウェバーがプライム・タイヤに交換。一方のヴェッテルは1分41秒539の最速ラップを記録。レースは半分ほど進行したが、コース上はタイヤ・カスが全くラバー・インせず、ライン以外は真っ黒に汚れている状態。地元マレーシア、チーム・ロータスのトゥルーリはトラブルで一旦ガレージに引っ込むが、なんとかコース復帰。
37周目、可夢偉がピット・インし、新品のプライムへ交換して11番手でコース復帰。38周目、ハミルトンがピット・インしてプライムへ交換、だがクルーが左フロントの交換に手間取う。翌周、後のバトンもピット・インし、アウト・ラップでハミルトンを逆転。40周目、ペースの上がらないロズベルグがディ・レスタに抜かれ12位。ウェバーが徐々に4位ハミルトンの背後に迫る。40周目のオーダーはヴェッテル、アロンソ、バトン、ハミルトン、ウェバー、ペトロフ、ハイドフェルド、マッサ、シューマッハー、可夢偉。41周目、ヴェッテルが最後のピット・ストップでプライム・タイヤへ交換、続いてアロンソもプライム・タイヤへ。43周目、可夢偉がシューマッハーのコース・オフを見逃さず仕掛け、9位へ。44周目、ウェバーが4度目のピット・イン。ウェバーはタイヤが保たない。45周目、ダンブロシオがコース・サイドでストップ。ここまでリタイアはマルドナド、カーティケヤン、バリチェロ、ペレス、トゥルーリ、ダンブロシオの6台。
46周目、アロンソがオーバー・テイクのアプローチでハミルトンのリアに接近し過ぎて衝突、フェラーリの左フロント・ウィング翼端板が吹っ飛び、アロンソはピットで修理を余儀なくされ、7位まで後退。50周目、ウェバーがマッサを1コーナーでアウトからオーバー・テイクし、5位へ。52周目、ハイドフェルドがペースの上がらないハミルトンをパスし、3番手/表彰台圏内へ。その後もハミルトンはもう1度タイヤを変えて8番手へ。ウェバーの無線に「前のハイドフェルドのタイヤは古い」とオーバー・テイク指令。54周目、僚友ペトロフが縁石に乗って大きくジャンプしてしまい、着地した際の衝撃でステアリング・コラムが破損し、クラッシュ/無念のリタイヤ。5周目/残り1周、ウェバーがハイドフェルドの背後に迫る。ハイドフェルドは明らかにタイヤが終っているが必死に防戦。ウェバーはDRSで勝負に出るが届かない。結局ヴェッテルが余裕の2連勝、続いてバトン、ハイドフェルド、の表彰台。4位ウェバー、5位マッサ、以下アロンソ、ハミルトン、可夢偉、シューマッハー、ディ・レスタのトップ10。
しかしフィニッシュ後、5位アロンソと6位ハミルトンに「レース中、ポジション・キープのために複数回ラインを変えて走行した」ことで20秒加算のペナルティが課された。これによりアロンソは6位のままだが、ハミルトンは可夢偉の後8位へ後退、結局可夢偉は7位となった。

第2戦マレーシアGP決勝結果

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レース中盤、ペース・コントロールに苦しんでいたかに見えたヴェッテルだが、実際には充分作戦内でのことだった。ウェバーは開幕戦と同じようなレースをしてしまい、追撃すべきライバル、ハミルトンとアロンソは自滅してしまった。マクラーレンは確かに接近して来たが、このままレッドブルが後を見ながらコントロールして行きそうな気配ではある。そして2戦連続で表彰台のロータス・ルノーGPは完全にトップ4に数えられる。
可夢偉はまたも素晴らしいレースをした。開幕戦で失った分を取り返すかのようなハミルトンのペナルティによる1ポジション・アップも、素晴らしいバトルとタイヤ・マネージメント能力へのご褒美だ。ザウバーは本当に頼もしいエースを獲得した。