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CFD開発に暗雲

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ヴァージンのティモ・グロックは、中国GPではヴァージンのマシンにとって、予選107%ルールが問題になる可能性があると言う。
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グロックは最近、ヴァージンの2011年型マシン・MVRー02に失望したことを公に認め、上海サーキットでは遅過ぎて、決勝のグリッドに並べないかも知れないと語った。「マシンは1週間前のマレーシアから変更されていないんだ。上海のレイアウトの特異的な特徴のため、先頭から大きく遅れる可能性がある。それに、もしも強豪チームが前回のレースで僕らに腹を立てて、僕達をレースから除外したいと思ってQ1でオプション・タイヤを使えば、僕達の予選通過はとても厳しくなってしまうよ」更にグロックは、F1マシンの設計と開発に、風洞ではなくコンピュータ技術のみを使ってコストを抑制する「CFD(計算流体力学)」というヴァージンの方針を、公然と疑問視している。「もちろん、それなりに成功はしているよ。でもコンピュータ・シミュレーションと風洞を両方使えば、さらに早く開発出来る筈だよ。また、本当に経験豊富なエンジニアがいれば、空力学でもっと早く進歩出来る。でも小規模なチームに人材を集めるのは難しいし、お金もかかるんだ」

ニック・ワース率いるワース・リサーチのCFD(計算流体力学)は高価な風洞を使用せずにレーシング・マシンを開発すると言う、最先端技術の世界から見たら夢のような方法である。そして彼等は今、多くの風洞実験実行チームから大きく遅れを取り、それはいよいよ決勝レース前の予選落ちと言う事態を招きかねない状況まで来てしまっている。そしてワースを初め、首脳陣にどの程度その危機感があるのかも不透明である。
加えて実際問題、現在のヴァージン・レーシングに風洞実験のための余裕/予算はあるのか。それとも…。