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パット・シモンズ、F1復帰に意欲

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所謂「クラッシュ・ゲート事件」首謀者のひとりである元ルノーのパット・シモンズは、近い将来のF1現場復帰に意欲的である。
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シモンズはルノー・F1チームのエンジニアリング・ディレクターだったが、2008年第15戦シンガポールGPに於いて、エースのフェルナンド・アロンソを勝たせるためにチーム・メイトのネルソン・ピケJrを意図的にクラッシュさせ、セーフティ・カー導入のきっかけを作った通称「クラッシュ・ゲート事件」の首謀者のひとりとして、マネージング・ディレクターのフラビオ・ブリアトーレと共にF1から永久追放処分を受けた。ただしFIAとの協定に於いて、最低でも2013年までは現場復帰出来なくとも、自身の会社を通じてチーム・コンサルタントとして仕事をすることは認められている。
シモンズはオートスポーツ国際ショーで「私はレーシングに情熱を持っており、それを取り去ることは出来ない」とし、一刻も早い現場復帰を望んでいることを明らかにした。

予選でシーズン一番の速さを見せたルノー/アロンソは、燃料形の小さなトラブルで予選を棒に振った。かねてから自己のマネジメント下のドライバーを自由に操る手腕を持つブリアトーレはレース操作を提案、ブリアトーレ、ピケJr、そしてシモンズによる密室作戦会議により、この意図的なクラッシュは行われ、チームの望み通りアロンソは優勝した。事件発覚後、ルノー側は即座にブリアトーレとシモンズを解雇し、ふたりはFIAから「永久追放」という重い処分を受けた。
とは言え、長きに渡ってF1に貢献して来たふたりに対し、FIAは時間の経過と共に温情判決へと路線変更、あらためて追放に期限が設けられた。これまで、シモンズはレース雑誌の技術ライターとして活動し、F1の現場復帰へのチャンスを伺っていた。
当初「永久追放」とされたこの事件の首謀者は間もなくF1に帰って来る。が、厳しいマークを受けている彼らが同様の失態を繰り返す可能性は低いだろう。「危険を伴うレース・コントロール」が二度と起こらないことを願う。