記事一覧

レッドブル「問題はKERS」

ファイル 196-1.jpg

中国GPで連勝がストップしたレッドブルは、苦手のKERS開発が今後の選手権での鍵を握ると危機感を高めている。
続き
シーズン開幕からKERS(運動エネルギー・回生システム)の不調に悩まされ、第3戦中国GPで遂に連勝がストップした王者レッドブル。ここまでマーク・ウェバーはまだ今季1度もレースでKERSを使用出来ず、セバスチャン・ヴェッテルの方はここ2戦で断続的に使用出来たのみ。トルコでヨーロッパ・ラウンドが開幕するまでに、問題のKERSを安定して使用出来るようにするのがレッドブルの使命となる。
中国GPでマクラーレンのルイス・ハミルトンに抜かれ、2位に終わったポイント・リーダーのヴェッテルは、KERSが安定していなかったことがラップ・タイムと接戦における戦略的なアドバンテージの双方に響いたことを認める。「レース中、何らかのトラブルがあって、大部分で僕達はKERSなしで闘わなくてはならなかった。だから最初のスティントは良かったけど、後半は駄目だった。長いバック・ストレートでは効果が大きいから、引き離そうとしても全然役に立たないんだ」
フリー走行で電気系の問題により走行時間が限られてしまったウェバーも、影響を受けたのはラップ・タイムだけではないと言う。「パフォーマンス面だけの問題じゃく、ガレージも乱された。僕のマシンは今週末に4回もリビルトされていて、ミスの起こりやすさという面でもずっと厳しくなってしまう。マシンを解体してまた戻して、を常に続けていれば、そりゃ楽じゃないよね」
チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、来月のトルコGPまでの優先事項にKERSの信頼性を据えるだろうと語った。「KERSはスタートでとても良く働き、後半でも断続的に機能している。今からトルコGPまでの3週間、この問題にハードに取り組み、グランプリの全ての周回で確実に使えるようにする」

レッドブルのKERS問題は、ニューウィーの優先分野である空力を妥協しないため、バッテリー・システムを極めてタイトに収めたことによる冷却の問題だと見られている。
そして、ひとつ忘れてはいけないことがある。レッドブルは今季、初めてKERS開発を行っているのだ。2009年はKERSなしのまま、ただ空力とスピードを突き詰めてブラウンGPとタイトルを争った。2010年、チーム間の協定によりKERSは1年間使用が見送られた。そして今季、ライバルとなるメルセデスやフェラーリのエンジン搭載チームは、既に熟成の域に入ったKERSを使用。つまり、この分野に関してだけはトロ・ロッソやザウバー、フォースインディアらにレッドブルが劣っているのが現実なのである。事実レッドブルがRB7にKERSを搭載したのは冬季テストの後半になってからであり、KERSの経験は明らかに不足している。空力特性に極端に特化し、無類の速さを誇るニューウィーのマシン/チームに、意外且つ致命的な弱点が表面化してしまった。最大のライバル、マクラーレンが同じトルコまでの時間を使って何を特化して来るかを考えると、決して呑気に構えてはいられない。