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メルボルン市長、オーストラリアGP継続に懐疑的

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オーストラリア・ビクトリア州メルボルンのロバート・ドイル市長は、現行のGP開催契約以降の更新はしないと発言した。
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オーストラリアの「ヘラルド・サン」紙のインタビューに答えたドイル市長は「現在たった4日間のGP開催に5千万豪ドル(約41億円)もの公費が必要となっているが、GP開催による経済的メリットは数百万ドル(数億円)程度のものに過ぎず、決して経済効果が著しいとは言えない」と語り、2015年で切れるFOM(フォーミュラ・ワン・マネージメント)とのGP開催契約を更新する意思がないことを表明した。「現在ではオーストラリアGP開催当時の数十倍の負担になっている。ビクトリアの納税者にとってもはや無意味なイベントである」とし、オーストラリアGP消滅もやむなし、との姿勢を明らかにした。

1985年の初開催から1995年まで、アデレードで開催されていたF1オーストラリアGPがメルボルンのアルバート・パーク・サーキットへと誘致され移って来たのは1996年。現在、年間赤字は7千万豪ドル(約57億円)に達すると言われている。
テレビの国際映像を観る限り、何処の国のGPも超満員のスタンドをバックに華やかなGPレースが行われているように思えるが、実情は逆であり、バーニー・エクレストンと共に非ヨーロッパ地域へと手を伸ばして来たGPサーカスは何処も苦戦を強いられているのが実情である。新たにF1を誘致しようとする国も含め、そこには巨額の開催費用と負担が存在し、参戦ドライバーやメーカーなどとの密接な関係が必要となる(現状、インドやロシアは非常に良い例である)。
かつては最終戦に位置され、幾多の王座決定戦の舞台ともなって来たF1オーストラリアGP。開幕直後へと移動して来た現在、その「開催理由」という面ではかつての意味合いは持てず、F1開催が今後のメルボルンの収益へと繋がらないのであればこの案件はF1の将来にとって重要な意味を持つことになるだろう。