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元王者らが苦言

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マクラーレンのルイス・ハミルトンの度重なるインシデントに関し、元F1王者ふたりが苦言を呈している。
続き
ハミルトンはカナダGPを僅か7周でリタイアしたが、それまでにレッドブルのマーク・ウェバーをスピンに追いやり、チーム・メイトのジェンソン・バトンと接触。しかも前戦モナコGPで2度のドライブスルー・ペナルティを科されてから、まだたった2週間しか経っていない。モナコではエキサイトして暴言も吐いたハミルトンだが、その後FIAと他のドライバーに謝罪。にも関わらずまたも同じように他車との接触を繰り返す状況に、3度のF1王者であるニキ・ラウダは「ハミルトンがやったことは限度を越えている。FIAが彼を罰さないなら、私には世の中というものが解らないね。こんな悪ふざけはいつか終わらせなければならない。あんなふうにドライブしていては誰かの死に繋がりかねない」と激怒、2度の世界王者エマーソン・フィッティパルディも「ルイスは特別な才能の持ち主だし、確かに世界チャンピオンでもあるが、彼は時々オーバー・テイクしようとしてアグレッシヴになり過ぎる。アグレッシブさには限度がある。競争力があっても、他のドライバーを尊重しなければならない」と発言している。

どうして、こんな素晴らしいレースで主役になれなかったのか。例えば、同じマシンに乗るジェンソンは「待ち」のレースから終盤の追い上げへと繋げ、見事に勝利してみせた。しかしハミルトンにはこれが出来ない。レース序盤からいったい何をそんなに焦っているのか。これは予選が上手く行かなかった際のハミルトンのレース運びに共通している。速さだけで言うならグリッド上でもトップ・クラスだが、王座を獲得した後もあまりにも勝利に固執するために落とすレースが多過ぎる。そして何より、このままではいつか何かが起きる。
「人生には世界王座より大事なものがある。例えば命がそうだ」と言ったのは、1976年の富士戦で、王座獲得確実と言われながら大雨に抗議してリタイアした偉大なチャンピオン、ニキ・ラウダその人である。