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ピレリ、初公式テストに満足

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タイヤ・メーカーのピレリは、2011年型マシンによる最初のF1テストを終え、公式声明を出した。
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ブリヂストンに代わり、2011年からF1にタイヤを独占供給するイタリアのタイヤ・メーカー、ピレリは、バレンシアでの最初の公式テストが成功裏に終了したと声明を出し、ようやく叶った最新型マシンとのテストに満足感を示した。
「バレンシアでは多くのチームの新型車が発表され、各チームは今季の規則に則った新パーツやKERS、可動式リア・ウイング、そしてピレリタイヤのテストを中心に行った。今回我々は昨年のアブダビでの最初の公式テストを経て、最新バージョンのタイヤを用意した。このテストを皮切りに3回の公式テストを経て、3月13日のバーレーンで開幕戦を迎えることになる。今回のテストは気温が低かったのと、バイク用のタイトなコースレイアウトのため、今季の代表的なコンディションということにはならないが、ドライバーにとってはピレリ・タイヤの最初の印象を体感する価値のある機会となった。彼らは2011はタイヤの采配がキーとなり、新しいピレリ・タイヤの特性がレースを盛り上げる要素になるだろうと、口を揃えて語っている」
ピレリはバレンシアにスーパー・ソフトからハードまでの4種類のスリック・タイヤを持ち込んだが、朝の気温が摂氏10度、昼過ぎでも18度までと気温が低かったため、殆どのチームは柔らかめの3仕様を選択、テストを行った。ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター、ポール・ヘンベリーは「この3日間のタイヤの信頼性はパーフェクトだった」と満足感を示した。「我々のタイヤは1セットではレースを走り切れないように設計されており、従ってこのタイヤをどう使って行くのか、でレースがよりエキサイティングなものになって行く筈だ」

イタリア・ミラノを本拠地とする世界第5位のタイヤ・メーカー、ピレリ。最初のF1参戦は黎明期の1950年から1958年。当初は強さを発揮したものの、ライバル社のコンチネンタルやダンロップに圧されて撤退。2度目の参入は1981年から1986年。この時は下位チームと組んで苦戦するも、後半にミシュランが撤退してグッドイヤーとの一騎打ちとなると、ベネトンやブラバムなどの中堅チームが時折勝利を齎した。3度目は1989年から1991年。この時もベネトンの活躍により1勝を挙げるも、参戦200戦で三たび撤退。ここからピレリは長いF1浪人期へと入った。
ブリヂストンの撤退による独占供給、という特殊な状況下ではあるが、反対にこれまでにない「非・競争開発」という環境の中で、果たしてピレリがどこまで口うるさいF1チームを納得させることが出来るのか。しかし、それが僅か1シーズンで達成されることは恐らくあり得ないだろう。
次のF1公式テストは2月10〜13日、同じスペインのヘレスで行われ、ピレリはこのテストでもタイヤ4種を用意して臨む予定だ。