2008/11/15 up
10月某日@渋谷宮益坂

ここが問題の場所。予想通り排水溝には多くの吸い殻が
.....ロケ10日目(爆)。
撮り終わった筈が、S水ディレクターの「例の吸い殻が落ちていた場所が気になる」のひとことで追加収録。
.....実は、前回の暗渠潜入の日の夜、オレはマネPと一緒にその場所を訪ねていた。四角い網状の側溝の中に見覚えのあるサイズの丸い穴があり、中をオレが頭に付けていたライトで照らすと、5m下についさっきまでオレ達がいた、吸い殻の山がある場所が見えた。
オレはそのことをスタッフに報告しなかった。が、編集段階でS水ディレクターが「確かめなくては」と思ったことが、正直嬉しかった。
「.....実は今オフクロが九州から上京してて、忙しいから編集所に来て貰ってるんですけど、ビデオ見て泣いてました。『春の小川がこんなになっちゃって』って」
.....誰かが笑うために、誰かが泣く。
あってはならないことなのかも知れないが、おそらく不可能に近いこと。ならば、せめて誰かが泣いていることを、笑ってる人は知るべき。オレが言いたいのはそれだけ。ご飯を頂く時、自然の恵みとお百姓さんに感謝する。それと同じ。
失われた川は帰って来ない。今から例えば渋谷駅にもう一度川を流す?、センター街に流路を作り直す?、代々木の住宅街の道を掘る?、それは危険で無謀なことであり、更なる犠牲を生み出すこととなりかねない。
失われたことは事実、それを知り、その上で守られる安全に感謝し、そして二度と同じ過ちを繰り返さないために、自分自身が気を引き締める。
46億歳の地球、1万歳の人間。
.....たかが100年未満のオレ達現代人に出来ることなんて、その程度なんだから。


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