2009/12/23 up

オレがいるbazooka-studioってのは、基本的に"営業スタジオ"である。そりゃつまり、メーカーや事務所、バンド単位のオファーによってブッキングされたレコーディング・プログラムを行い、我々エンジニアがアーティストの作品の"サウンド面"を担う、ということ。スタジオ発足の'93年頃はオレはまだ単なるミュージシャンで、それまで良くバンドでも請け負い仕事でも、こちらに選択肢がある時はbazooka-studioを使用させて貰っていた。ちなみに時はバブルの余韻、1日ロックアウトでSSLの部屋使うと30万円くらい、という時代。
.....月日は流れ、宅録の悪知恵を活かして本格レコスタに潜り込み、挙げ句に自分専用のスタジオまで準備して貰ったオレは、どうやら世間的に"Pro Tools名手"となっていたらしい(自覚はナイ)。多くのアーティストと作品を作る機会に恵まれ、特にマスタリングなんて分野では年間最大300タイトルほどを世に送り出した。つまり誰よりも先に新譜を聴き、誰よりも先に流行を捕らえることが出来、おかげで波に乗り遅れることはなかったのだろう、自然とその時代に合ったもの/アーティストが求めるものを理解し続ける力がついた。それ故に"営業スタジオの未来"に関しても恐らく人よりも早く危機感を持つことが出来たのだろう。15年後の現実はこうだ。
-予算1日30万でPro Tools完備?、それなら誰かの自宅で3万円で出来る-
ま、簡単に言うと営業スタジオの"危機"。もっともそれは音楽業界、いや全ての産業に於いて言えること。不景気に逆らうには、魅力的な商品を安価で提供し、そしてリピーターとして回す。これしかない。少なくとも1日30万円も出せるメーカー/事務所なんてもう存在しない。じゃあ値下げだ。が、既にメーカーが自社のプライベート・スタジオにフリーのエンジニアをスカウトして入れる時代。じゃあ誰に使って貰うのか。"資金源"は揺れ動く。生活がかかっているから。でもアーティスト自身はその表現のために全てを懸ける。そして、そのクライアント/アーティストに、確実に「いや〜いくら安くても、やっぱbazookaのこの人の音でなくちゃ」と思って貰えること。言葉にすれば簡単なこの方程式が実現出来た時、それはようやく成立する。
.....ま、確かそんな流れでbazooka-studioのコンセプトが"バンド屋・bazooka"になったワケ。で、オレはまずレーベルを作ることとエンジニアのキャラクターを打ち出すことを軸として、企画屋も営業スタジオも考えないことをやることにした。大抵機材やスタジオそのものが載ってるwebsiteのトップ・ページをエンジニア達自身が飾ること、誰かが発信する音楽を作る手伝いをするだけでなく、Podcastを利用して自ら発すること、自慢のアーティスト達を紹介すべく雑誌を作ること.....ま、間違いなくそんなことやってるレコスタはない。どちらかと言うと近年のライヴハウスに近いスタンス。で、当然彼らにもレコーディング可能な環境があるワケだから、そういう意味じゃ既に負けてる。
.....で、ウチのスタジオにはオレと、もうひとり一緒にradio-bazooka!!のパーソナリティをやってる現役プロ・ミュージシャンがいる。M.C.ossaこと長田昌之。普段ライヴやメディアに触れる機会の少ない作り手側の目線とは違う、音楽活動をするために何が必要で、何が求められていて、何をすると効率が良いのかを体感している人物。こういうヤツは貴重な存在。バンドを引退した多くのミュージシャンがメーカーのディレクターへと転身するのはそういった"価値観メリット"があるからなのである。
「ま、何やったって、バンドはライヴ演んなきゃハナシになんねえよ」
オレがそう切り出したのは今年の春頃。
共同原盤システムである"Do!! bazooka"は、アーティストとスタジオがタッグを組んで作品を作り、リリースし、展開する。ただ作るだけじゃなく、でもレーベルほどじゃなく、流通や配信などのアーティストが苦手な部分をフォローし、アーティストは得意なライヴ/手売りを頑張る。これは食材を調理はするけど、自分で取りに来りゃ安くなる、という意味で個人的には"バイキング"だ(笑)。つまり時代のニーズに合った方法論。で、問題はそこで満足しないで、その先を行くこと。それがオレ達もバンドを紹介出来て、バンドも手売りと露出の機会が増える"ライヴ"。よって、オレはその旨トップにプレゼンした。.....ま、ありがたいことにウチのボスは大抵オレの企画を「好きにやんなさい」と言ってくれるので、中心に長田を置いて具体的なプランニングに入った。
2年ほど前に1度友人のライヴを観に行ったハコが、オレ達の本拠地である新宿御苑にあった。そこでオレは正直あまりの"音の良さ"に衝撃を受けた。もちろんシステムも良い。が、それに加えてオペレーターのセンスが極めて"ロック"。新宿Live Freakはキャパ200名ほどの小さなハコだが、そこはレコーディングとライヴという、普段交わらない筈の業種でありながら、同じ"バンド屋スピリット"を感じるに充分だった。ウチのスタジオから約5分、早速長田と共に訪ねる。聞けばマネージャー氏は渋谷の道玄坂界隈の某有名ハコ出身、う〜ん、オレも長田も年代的に絶対1度はお世話になってますねと話が弾み、快く企画に乗って頂けた。ヨシ、これで"新宿御苑"というカテゴリーが完成。
さて、開催時期。.....ま、思い立ったが吉日、"来年"なんて目標はまだまだのような気がして、しかも年が明けると一気に焦るのが目に見えてるので年内、少々シンドくてもそれが現実的だし、気合いも入る。Live Freakのマネ氏と相談し、12月初旬に決定。
で、出演者。これまでDo!! bazookaでは2年半ほどで30タイトルほどをリリースしており、当然様々なジャンルのアーティストが存在する。問題はどう割り振り、どう並べるか。選択肢が多過ぎる状況の中、元ラヴィアン・ローズの根崎君が率いる新しいバンド"兎-usagi-"の1stアルバムがリリースされることとなり、その際古い付き合いのリーダーが言った。
「加瀬さん、bazookaもライヴ企画とかやった方が良いですよ。オレら今"兎じゃNight"って企画をやってるんですけど、"bazookaじゃNight"なんてどうです?(笑)」
.....フッフッフ。飛んで火に入る夏の虫だ。兎-usagi-、君達の出演決定〜(.....)。そして、この出来事を機に、イベント初回の概要は見えて来た。
兎-usagi-
彼らは前述のように元ラヴィアン・ローズのドラマー、根崎料栄がヴォーカルへと転身して結成した新しいバンド。ラヴィアン・ローズは解散の際にradio-bazooka!!に出演して貰ったことがあるのでお聴き頂ければ解る通り、不動のメンバーで12年やって解散、という経歴を持つ。そして彼らはそのサウンド性を、例えばヴィジュアル系やバイオレンス系などとカテゴライズせず、自ら"ラヴィアン系"と称しており、それは全くその通りだった。そのコンセプトはこの新しいバンドにも活かされており、ひとつの枠に収まらない自由な音楽作りで素晴らしい1stアルバムを作った。活動も精力的で、10月に発売になったアルバムのリリース・ツアーを全国展開、その千秋楽後に企画された今回のイベント出演も快く了承して貰えた.....っていうか、兎-usagi-に断る権利はもはやナイ(笑)。
Jack Rose
今年結成10周年となるベテラン、Jack Rose。彼らはヴォーカル、ギターに加えキーボードの3人編成のヴィジュアル系ユニットであり、今年発売された最新アルバム"Heart Infection02"では旧友でもある長田がレコーディング・ドラマーを務めた、という経緯がある。ちなみにその活動枠は興味深く、ライヴハウスのみならずストリートへも進出、決してストリート向きとは言えない編成にも関わらず精力的に、そしてがむしゃらに突っ走る。メロディと鋭いギター・リフ、そして重厚なキーボード・アレンジはそのキャリアに見合うだけのクオリティであり、これまでにゲーム音楽のタイアップなどもレーベル無所属ながら行って来ている。
ROSERIA
L.A.メタル。この'80年代中盤に世界的ムーヴメントを引き起こしたジャンルの再燃を担う日本のバッド・ボーイズがROSERIA。当然ながらオレや長田はリアル・タイムだが、当のROSERIAのメンバー達はまだ生まれてもいない。従って、同じようにL.A.メタルを愛するメンバーが集うだけでも奇跡、それをやってのけたのがROSERIA。普段はそのルックスからヴィジュアル系とのコラボが多い彼らだが、反対にL.A.メタルを知らないヴィジュアル系ファンの眼に/耳にはどのように届くのかが興味深い。
記念すべきイベント第1回目の出演者はこの3組に決めた。そして、せっかくのDo!! bazookaの初イベント、スペシャル・ゲストくらいいなくちゃ。で、長田と相談するまでもなく、共同レーベル"ハンサム・bazooka"のハンサム兄弟にオファー。が、ご存知の通りハンサム兄弟のスポークスマンであるハンサム判治(Vo)とたかぴ〜(B)がデブ・パレードでも活動中で、スケジュールがハッキリしない。にも関わらず判治本人は「出たい!やりたい!」.....嬉しいんだけど、こりゃ直前までハッキリしないかも.....。

さて、それまで常識的にライヴのブッキングなんてやったことのないレコスタ主催のイベント。放っとけばただバンドが出て入れ替えがあって次のバンドが出て終わり、なんてイベントならいつでも何処でも観れる。では、このイベントにどういった意味合いを持たせるのか。そこがオレの仕事。主催イベントの仕切りはむしろ得意なもの。
・radio-bazooka!!出演者によるMC
・Do!! bazookaアイテムのみのBGM
・ライヴ・レコーディング
・ビデオ・シューティング
.....前者のふたつはオレの得意分野。転換中もオーディエンスを飽きさせないで、それでいて自慢の曲を聴かせ、次の出演者の情報を与える。コレは完全にいつものオレのスタイル。で、後者ふたつはDo!! bazookaのコンテンツでもあり、今後我々のサンプルとして宣伝材料ともなるので素材としての価値もある。つまりこのイベントを"やりっぱなし"ではなく"残るもの"にする。コレ、ヒジョーに重要。
かくして、2009年12月7日、新宿Live FreakにてDo!! bazooka summit vol.01"新宿御苑shock!!!"開催決定。
イベント当日。12時に会場入り。ま、通常なら14時頃なんだけど、そこは例によってライヴ・レコーディング及びビデオ・シューティングの仕込み/準備のために早入り。それでも近いおかげで担当スタッフ共々何度か現地を訪れて概要を決めておけたのが大きい。で、オレと長田、ライヴ・レコーディングにウチのエンジニアがふたり、ビデオにひとり+カメラマン3人。ちなみに本番になるとここにふたりが加わる.....ウチの事務所がほぼ空っぽ(笑)。逆にその間もレコーディング作業してたエンジニアもいて、しかも出演者を手掛けてたりする。ちと残念だったね。

14時、続々と本日の出演者が到着。Jack Roseのサポート・ドラマーのダリアくん、今年加入したばかりのROSERIAのドラマーの太一とは初めましてとなる。いやあ、太一君はオレが初めて生でショーケース来日したPoison観た('86〜'87年頃?)時のハナシなんかしたら興味津々。何故なら当然生まれてないから(笑)。
オレ達自身、実際に3組の出演バンドが集まるとワクワクする。何故なら、彼らと個別には逢って/濃密に制作をやっていても、当然一同に会することなんかないから。このあたりが通常の"レーベル"なんかとは違う感覚。頭の中で組み合わせたこの3組が、実際にどういったパフォーマンスを魅せてくれるのか、未知数の部分も含めて楽しみな要素。各バンド同士もほぼ初対面で、その挨拶が初々しい。
兎-usagi-の根崎君は来るなりお得意のトーク炸裂。場を和ませてくれるばかりか、既に多くの関係者を笑わせて回っている。

14時40分、サウンド・チェック+リハーサル開始。今回は通常のサウンド・チェックだけじゃない。ライヴ・レコーディング・システム/ビデオ・シューティングのリハーサルも兼ねる。ウチのスタッフがセッティングを行ったのは当然ながら空っぽのステージ/会場。そこに当然ながらバンドと多くのオーディエンスが集まり、しかもステージ近辺は全出演者の機材で溢れる。で、それを抜き差し/移動しながら3つのバンドがliveを行うワケ。
どんなイベントでもそうだけど、想い描いた状況と現場のギャップ、ってのが最大の難関。例えばレコーディング・システムの回線の引き回し、例えば転換時の機材置き場、例えば撮影班の場所取りと本番でお客さんが入った際のアングルetc.....ひとたびliveが始まれば、オーディエンスは眼の前のバンドに釘付けになる。まず、その邪魔をしないこと。そして、自分達も楽しむこと。全てのシミュレーションを行い、段取り通りに進ませるために目が離せない重要なポイント。
兎-usagi-はツイン・ギター、Jack Roseはシングル・ギターでベースレス/キーボード、ROSERIAはシングル・ギター。この全て異なる編成を"逆リハ"といって本番でトリを取るアーティストから逆順に行う。で、最後にトップ・バッターのサウンド・チェック/リハーサルが終わると、本番はそのまま始められる、という段取り。で、今回ひとつだけイレギュラーがあって、直前までスケジュールがハッキリしなかったハンサム判治が「アコースティック・ギター弾き語りでひとりで参戦します!」と、開催3日前くらいにようやく宣言。が、リハーサル進行には入っておらず、所謂"ぶっつけ本番".....こんな時頼りになるのはLive Freakのオペレーターの皆さん。快く「任せて下さい!」の言葉.....感謝。

18時、ほぼ定刻通り開場。既にトップ・バッターのROSERIA目当てのお客さん達が入口付近に集まっている。長田はウチのブログ"bazookaな日々"にマメに進行状況をアップ。事務所にいたスタッフ達も「そろそろかな」と駆けつけ、いよいよ初イベントに向けてヒート・アップ。ちなみに会場BGMはDo!! bazooka作品の必殺エンドレス・ミックス・ヴァージョン。例によってオレがこの日のために仕込んだ。ちゃんとこの会場用のマスタリングを施してあるのだよ!。
さあいよいよイベント開始。会場BGMを遮り、まずはオレとM.C.ossaの挨拶でスタート。
一般的に"スタジオの従業員代表がイベントで冒頭挨拶"と言えば確実にドン引きな場面(爆)、ところがそこは一緒にradio-bazooka!!のパーソナリティをやってるオレ達ふたり、今日もいつものように台本ナシの完全アドリヴ口撃炸裂。でもま、言ってることの内容/意味は普通。ただし、喋り方がオレ達流。下手すりゃ固くなる挨拶も、逆にオーディエンスの期待を煽るやり方、ってのは心得てる。こんな時は普段live演ってる人間が強い。何も知らないお客さんが観たら「なんだコイツら?」と思ったかも(笑)。
既にキャパ200の新宿Live Freakのフロア、1/3程度はオーディエンスで埋まってる。各スタッフの持ち場を確認、皆準備OK。ヨシ、じゃあ本日のトップ・バッターの紹介。

18時40分:ROSERIA。
L.A.メタルは単なる音楽的カテゴリーではない。バッドボーイなヤツらがグラム・ロック的なメイク/衣装に身を包み、ロックンロールだけどキャッチーなメロディを繰り出す"スタイル"そのもの。'80年代中盤に登場したボン・ジョヴィはスーパー・スターとなり、モトリー・クルーは多くのフォロワーを生み、ガンズ&ローゼスは伝説となった。その頃生まれたROSERIAは実直に彼らを敬愛する。後追いの宿命、ネガティヴ要素はリアル・タイムでないこと、だがポジティヴ要素は完成形を知ることが出来ること。単刀直入に言えば進化はせずとも"イイとこ取り"が可能。
マイケル・モンローばりにステージを引っ張るSHELLY(Vo)、スラッシュ顔負けの存在感を示すGLAM(G)、フォアン・クルーシェを彷彿とさせるクールなRaiji(B)、そしてトミー・リー的なアクションでビートを繰り出す太一(Dr).....ほーら、夢みたいな組み合わせじゃないか!.....って、コレ読んでる人が解るのかな(.....)。

19時40分:Jack Rose。
壮絶な入れ替えのインターバルを挟み、Jack Roseの登場。普段から多くの"ヴィジュアル系"のバンドと関わってるオレとしても彼らのステージを観るのは楽しみだった。何しろ結成10年、しかも隙あらばストリートliveを敢行する本気度合いと膨大な経験値。既にベテランの粋に達した彼らが.....通常"liveに於ける楽曲再現力の低さ"を問題視されるこのジャンルの中でどれだけ魅せ、そして聴かせてくれるのか。
その興味は、正直言って"感動"に変わった。ぶっちゃけで言ってしまえば、確かに所謂"ヴィシュアル系"がテクニック面で抜きん出るジャンルでないことは認めざるを得ない。で、大きな声じゃ言えないがオレも随分多くのバンドの"トラ仕事"をやって来た。簡単に言えば「レコーディングでは上手い人に代わりに演奏して貰う」である。悲しいかな、コレが現実。但し、ステージではそれを補って余りあるパフォーマンスを魅せなさい、それがオレからのいつものひとこと(誤解のナイように言っとくけど、Jack Roseはレコーディングでそういうインチキはしてないよ!)。
live本番、アクションもあるし休憩もないしやり直しきかないし、当然ながらプレイは荒くなる。しかし、だ。Jack Roseのステージは見事だった。特にRe:i(Vo)。あれだけのアクションを決めながら、ピッチもロング・トーンも全く手抜き/消耗ナシ!。さすが場数を踏んで来たベテラン。新型インフルの病み上がりのShige(G)も、不利なポジションとなるショルダー・キーボードを抱えたAki(Key)も、Re:iの勢いに全く見劣りしない。サポートのダリア(Dr)は元正式メンバーでもあり、最後まで非常に良くまとまった完璧なステージを魅せてくれた。お見事!。

19時35分:ハンサム判治。
ここでスペシャル・ゲストとして、リハーサル進行になかった判治の登場。転換中、さてどういう紹介で出る?と相談すると「あ、俺客席から適当にステージ上がりますんで」.....ハイ?(爆)。
実はソロで全国弾き語りの旅、なんて経験も持つ判治、こういう飛び入り的なスタンスも完全に心得てる。オレと長田の紹介で幕が明き、既に満員の客席がステージを観ると.....無人。そして、フロア中央からハイ・トーンの雄叫び.....掴みも完璧、中身も完璧。さすが判治。どーでも良いけどギター小さいな(笑)。それ、Gibsonのギターの中でも一番デカイんだけどな(爆)。
でもね、オーディエンスの反応はとても素直だった。突然現れた巨漢の作り出すムードに完全に乗っかって、そこにいる全ての人達がそれをエンジョイしてた。トークなのか歌なのか、歌詞なのかアドリヴなのかも良く解らないまま、でもその渦の中で気持ちよく泳げた。最後に「この曲で俺とbazookaの繋がりはスタートした」とプレイした"人生大丈夫ンブンブン"は、きっと故郷を持つ多くのオーディエンスが共感したと思う。bazookaのもうひとりの"顔"としてこれからもヨロシク。

21時:兎-usagi-。
bazooka-studioの初イベントのトリを飾るのは兎-usagi-。MCでも言った通り、今回のイベント開催にGoを出した張本人でもある、元ラヴィアン・ローズの根崎君率いるまだ新しいバンド。オレもliveを観るのは初めてだったけど、まず驚いたのはシビアなリハーサルに比べてなんとアクティヴなliveだ!、ということ。まず、根崎(Vo)、横田(G)、代々城(B)の3人が裸足。リードの加藤(G)はブーツ履いてるけどアタマが裸(爆)、そしてリハの倍くらいの音量が出てる増田(Dr)。走る、飛ぶ、笑う.....オーディエンスが欲している全てを知っているかのような兎-usagi-のステージは、良い意味で荒っぽい。それはまだ若いバンドであるからなのかも知れないが、逆にこの固まり感はliveに於いては丁度良い。そして.....曲も魅力的だが何しろ根崎お得意のマシンガン・トーク。ま、内容はココでは書けないよ。ウチも仕事だからね!(爆)。終盤、満員のフロアへ飛び込んだ根崎が客席後方でウチのエンジニアを見つけて「オ?、大西さんじゃん!」と言った時にウチのスタッフ全員が爆笑したのは言うまでもない(.....)。
ラストの"心臓の時間"前、根崎がメンバー全員にそっと「次ラスト」と、予定をオーバーしているタイム・テーブルを気遣って耳打ちしてくれたのをオレは知ってる。ありがとう。ま、次回の仕切りは君がやるって聞いたのでヨロシクな!(爆)。
21時40分、全公演終了。
次回公演の根崎仕切りを宣言/約束し(爆)、長田の生「Do〜〜〜!!」で締めくくり。最後まで残ってくれたオーディエンスの皆さんから贈られる暖かい拍手の中、無事にDo!! bazooka-summit vol.01/新宿御苑shock!!!終了。
物販コーナーはごった返し。きっとお目当てのバンド以外のCDも買って行く人がいたんじゃないかな。オレも何人かに「楽しかったです」と声をかけて頂き、ちょっとジンとした。
ただ観に来てくれただけのウチのスタッフが総出で撤収を手伝ってくれる。.....手前ミソ+お恥ずかしいハナシではあるが、こんなに自主的に"まとまった"の初めてなんじゃない?。こりゃまた単なる付加価値でしかないけど、主催者側としてはとても収穫のあった出来事。こうやって本来ウチの業務と直接関係ないことでも、誰もが笑顔になれるイベント。ま、ハッキリ言えばなきゃおかしいモノ。商店街だってメーカーだって、お客様に感謝してたまにイベントやる。それを、どうしてレコスタが今まで出来なかったのか。オレはただそれを企画しただけ。やったのは現場の皆。滅多に褒めないウチのボスが褒めてくれた(爆)。嬉しかったけど、やったのは皆。
で、撤収後軽く乾杯〜。ま、想像してみてよ。判治と根崎の組み合わせ。書けるワケないじゃん!。書けることと言ったら.....「肉(唐揚げ)下さい」と席を移動して来たAki(Jack Rose)の眼の前で、ある巨漢のシンガーが肉全部食っちゃったことくらいかな(爆)。.....ま、相手が悪過ぎるぜ。


ちゅうワケで全行程終了。
お越し頂いた皆さん、出演者の皆さん、Live Freakの皆さん、そしてウチのスタッフ全員に。
お疲れ!また遊ぼうぜ!。

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