第2回 2006/01/01 up
guest/
 a.k.a.dRESS(ave;new)
place/
 新宿おねぎや
main order/
 加瀬:杏露酒ソーダ割り
 a.k.a.dRESS:生beer

加瀬: トモダチ対談第二回のゲストはa.k.a.dRESSさんに来て貰いました。彼は、音楽制作集団"ave;new"のメイン・コンポーザーで、先日16歳の新人シンガー、川瀬未希と結成したユニット"BRACE;d"でTVアニメ"かりん"のテーマ曲を担当、メジャー・デビューを果たしたばかり。で、彼は音楽をとても"解ってて"創ってる人。ま、個人的には自分の周辺で「今、最も注目に値するコンポーザー」ってトコかな。
dRESS: うわマジっすか!?。嬉しいなあ。加瀬さんはねえ、僕達ave;newにとっては"守護霊"みたいなもの(笑)。
加瀬: 霊かよ!。
dRESS: いや、マジで。いつも我々の作品のミキシングやギターをお願いしてるワケですけど、ぶっちゃけもうave;newのコンポーザーのひとりだ、くらいに思ってます。自身が魅力的な作曲家、プレイヤー、そしてエンジニアで、"ギョーカイ"の大先輩で、なんつーか.....丁度良い形容詞が無いんすよ。
加瀬: う〜ん、オレ自身もしょうが無いから"音楽家"って言ってる。
dRESS: それがカッコイイの!。"ミュージシャン"とか"エンジニア"とか"プロデューサー"とか、従来の括りに収まらない。その内"加瀬竜哉"って言う職業が出来るんじゃないか、って言う(笑)。
加瀬: そりゃ困る(笑)。でも、dRESSは同じ匂いがするんだよね。もちろん世代的にはオレの方が異端児なんだろうけど。頭の中で完璧に"音楽"が鳴ってる。それを形にする為には、それが歌だとかドラムだとかオーケストラだとか、打ち込みだとかレコーディングだとかなんて関係無い。それを実現する為には方法論なんて選ばないでしょ。
dRESS: 音楽制作の在り方が時代と共に少しずつ変わって来てるな、と思うんですよ。従来は楽曲でもプレイヤーでもレコーディングでもそれぞれスペシャリストがいてやってたのが、だんだん個人レベルになって来てる。宅録でも充分に成立するような環境が整って来て、僕らのような"コンポーザー"が生まれる。でもまだ、加瀬さん抜きで完成、は難しい。でもそれは、加瀬さんがそれを既に自分でやってるからだと思うんですよ。
加瀬: dRESSは確実に新世代の音楽制作をリードして行く素質を持ってるよ。何年か後には、CD屋が無くなって自分の部屋から世界中に音楽を発信するのが当たり前、って言う時代になる。その時、レコーディングスタジオや職業エンジニア、プロデューサーやミュージシャンが必要かどうか、は個人の"チョイス"になる。誰かが必要なら使えば良いし、自分でやるも良し。
dRESS: 例えば僕が"作曲家"で在り続ける事を選んだとしたら、ミキシングの部分は考えずに、当然のように加瀬さんにお願いする。それならそれで良いと思うんですよ。でも今こうして加瀬さんと共同作業する事によって、僕ひとりで完成しなかった楽曲の"理想図"がより明確になる。そんな事が出来る人にはそうそう巡り会えない。完全に作り手の方向性を理解してる。「なんで解るんすか?」って感じ。
加瀬: 職業エンジニアってさ、「音楽はアーティスト様のもの」って、教育されんのよ。自分の好みじゃ無くて、アーティストの言う通りにしなさい、って。だから、仮にアーティスト側にビジョンが無いと、もうお手上げなワケ。一般の人のエンジニアのイメージって、機械屋さんじゃん?。音楽屋じゃナイでしょ。でもオレ違うもん。機械大っ嫌い。
dRESS: 加瀬さん全然職業エンジニアじゃナイじゃないすか。元々エンジニアの専門学校出たりとかじゃナイんすよね?。
加瀬: アッタリマエじゃん!。人からモノを教わるのが大っ嫌いだからミュージシャンになったようなモンだし(笑)。でもdRESSもそうでしょ?。
dRESS: 僕は元々バンド組んでギター弾いて曲を作るようになって、シーケンサーと出会って宅録を始めた、って言うクチですよ。
加瀬: じゃあ基本的に一緒だよ。ただ、しいて言うなら現在ほどハードウェアがポピュラーじゃ無かったから、"工夫しながら体感"したかな。例えば、リバーヴなんか知らないし持って無いから、さて風呂場で録ろうかトイレで録ろうか、みたいな(笑)。
dRESS: そう言う意味じゃ我々はプリセット世代だから、用意された"ホール"とか"ルーム"とかって言う広さを実際には知らない。
加瀬: でも逆に、知らないからこそ自由な空間が創れる。
dRESS: それ!、それなんですよ、加瀬さんが職業エンジニアの方と違う所は。フツー言わないもん、そう言う事。
加瀬: だってさあ.....音楽はリスナーとアーティストのものであって、スタッフのものじゃ無いもん。エンジニアが音楽を創り始めても、ミュージシャンがレコーディングを始めるのに負けんのはソイツが原因だよ。"どうすれば良いか"じゃなくて"どうしたいのか"、"仕上げる"じゃなくて"生み出す"だ。
dRESS: '04年末頃、'05年は更に音作りって言う部分を深く掘り下げよう、と思って良いエンジニアさんを探してたんですよね。どうしても僕らはエンジニアリングって作曲の延長上のものだ、って思ってしまうので、これはもっとプロフェッショナルな部分なんだと言う事を肝に銘じてmusicman(音楽業界向け案内誌)を見たんですよ。そしたら"現役ミュージシャンによるエンジニアリング"って書いてあって、加瀬さんがいたの。
加瀬: "現役ミュージシャンが"ってトコロに「なんだよ、転身しなきゃいけないのかよ」って思わない?。ま、そのうちに珍しくなくなるんだろうけど。
dRESS: でもそうやって加瀬さんと出会って、この1年間ホントに勉強になったと思う。いつも間近で加瀬さんのミックスを観る事が出来て。
加瀬: いつも後から「お。覗いてるな」って解るもん(笑)。でもオレ、ミックス見せるのってdRESSぐらいじゃナイかなあ。
dRESS: マジで!?。
加瀬: だってプラグインにマジックなんてナイもん。センスなのよ、アレは。ハードウェアなら"通すだけで音が....."なんてマジックもあるけどさ。風呂場で歌ったら反響してました、の方がよっぽどマジックだ(笑)。

dRESS: そもそもなんでエンジニアに、と言うかスタジオに入ったんすか?。
加瀬: 自分の作品創ったり、演奏しにスタジオに行くじゃん?。すると、エンジニアがなんか良く解んない事をいっぱいやってるワケ。
dRESS: うんうん、やってるやってる。
加瀬: オレの作品創るのに、他人のアンタが何をそんなに必要なのか、を知りたかった、ってのがひとつ。でも、人に習うのはオレの人生にはあり得ないから、盗みに入った(笑)。それから.....相当な数のレコーディングを相当な数のスタジオでやって来たけど、「この人なら」って言うエンジニアには巡り逢えなかった。だから、自分でやる事にしたのよ。とは言え、アシスタントとか丁稚なんてやる気ナイから、ここでもいきなり盗みに入った(笑)。
dRESS: カッコイイ!!。ロックンローラーだ!。
加瀬: "ルールは破る為にある"が、オレの座右の銘のひとつだからね。座右の銘は全部で6つあるんだけど(笑)。でもね、dRESSの曲作り/サウンドも相当破天荒だよ。
dRESS: 元々ギター弾きだったクセに、シーケンサーを手に入れた瞬間からやたらとテクノばっか創ってて(笑)。次にダンス・ミュージック的なものにハマって行って、あまり型にはまらず自由に音楽が創れるようになった。「なんだ、やりたいようにやって良いんだ」みたいな。ギターで曲創るとね、なんかギター・ナンバーになってっちゃうんですよ。更に、楽曲がギタリストの腕やセンスによって相当左右されてしまう。
加瀬: 解る解る。
dRESS: そう言うトコロから解放されて、ループ創ったり、鍵盤楽器や効果音を入れたり、でその後にギター入れて見たりすると、凄く新鮮なものが出来たりする。
加瀬: 今ave;newでやってるのも、"一番最後に加瀬さんギター"だもんね。
dRESS: そう。しかも下手するとミックスが終わってから、って言う(笑)。コレは本来"足し算"だから、もしかしたら「やっぱりいらない」ってなるかもなんだけど、加瀬さんに任せて、弾いて貰って、最終的にいらなかった事が無い。で、それは多分加瀬さんのプレイが"フレーズ"とか"音色"とかじゃなくて、"温度"だからなんだと思う。必ずその楽曲に必要な温度を解っていて、邪魔になるどころか価値が2倍にも3倍にもなって行く、って言う。コレは楽曲の方向を解っている人じゃ無ければ絶対に不可能な事ですよ。
加瀬: そうね。本来は方向を解って無い人が関わる事自体が問題だからね。dRESSが「あと、こんなの入れたいな」と思ってるものとオレが自然に出すものが幸いな事にいつも近い。.....でも、実はアレコレ言いたいのに我慢してるんじゃないの?。
dRESS: トンデモナイ!。加瀬さんのギターとかミックスって、時間が経って聴いた時の衝撃が凄いんですよ。録ってる時って確かに頭に血が昇ってるから「OK、サイコー!」って言っちゃいがちだけど、後日あらためて聴くとその凄さに驚く。パッと弾いてサッとミックスしたものが、結果的にそれ無しでは成立しない程の存在感を出してる。バランスも音色もパーフェクト。.....切り札と言うか、加瀬さんはもはや業界の"joker"ですよ!。コレは他のサウンド・チームには絶対に真似出来ない、ある種の企業秘密みたいなモンで、その辺が加瀬さんの"守護霊"たる所以か、と(笑)。
加瀬: 結局霊かよ!(笑)。
dRESS: 多分、加瀬さんが何をする時もプロデューサー的な立場で見られるからこそ、出来る事なんだと思う。普通は全体像より、自分の演奏のクオリティや好みとかに傾倒してしまうでしょう。
加瀬: そう言えばさ、所謂"プロデューサーが弾くギター"って、どうにもつまんねえギターなんだよな(笑)。この曲のギターの役割はこうです、みたいな。ギタリストは目立ちたいからギタリストなんだ、っつーの(笑)。dRESSの曲で言うなら、例えばリードのブラス・シンセと対等だよ、みたいな。
dRESS: 僕らふたりがいたら、けっこう無敵だと思いますよ、マジで!。

加瀬: 丁度ave;newはセカンド・アルバム"suite"を完成させたばかりなんだよね。
dRESS: このアルバムは"ストーリー性"を重視して創りました。決してベスト・アルバムにはしたく無かったので、あくまでもしっかりとしたコンセプトを持ってやりたかった。加瀬さんともずっと一緒に創って来れたし、決して最後まで方向性を見失わずに出来たと思います。
加瀬: 制作に1年以上費やしたもんね。
dRESS: 僕はガールズ・ポップにはある種のスタイルがあって、そればっかりだとちょっと煮詰まったりとか、似通ったりとか、割と陥りやすいトコロがあると思うんです。ave:newとしてのスタイルと、自分から沸き上がって来る楽曲とを上手くコントロールしないと、とてもありきたりなものになってしまう。我々の場合そこに複数の女性シンガーが加わるから、下手すると色や個性が失われる危険性もある。
加瀬: そう言えば最近、良くD(加瀬が共同プロデュースするvisual系バンド/当然男性)を観に来てくれるよね。
dRESS: いや僕、visual系マジ大好きなんですよ!。彼等の世界観とかって凄いじゃないですか。しかもDは曲が良い。あ、もちろんCDの音も良い(笑)。いつも客席のファンの人達とか見てて、「ああ、皆Dの世界に入って行ってる」って思うんですよ。
加瀬: "世界"じゃ無くてDの"領域"ね(笑)。.....アイツらはね、別に凄く上手いとか凄くスキとかで関わったんじゃないの。ただ、「コイツら本気だ」って思ったの。vocalのasagiなんて、本気で「自分は歌う為に生まれて来た」って思ってる。そんなヤツvisual系で他にいないもん。で、そのvisual系ってのもヤツらにとっては方法論でしか無いから、何か新しいアイデアやヒントを出すとすぐに吸収する。「伝えたい」って事がハッキリしているから、世界観には全然影響しない。だからいつもワクワクさせてくれるんだよね。
dRESS: そこが実は自分にも凄く刺激になって、今回のアルバム後半の楽曲制作には良い意味で影響が出たんですよね。少し男性的なアレンジで考えてみたりとか、実際に男性vocalやシャウトを混ぜてみたり、とか。
加瀬: 多分ave;newのリスナー層の大部分が男性だと思うんだけど、同様にvisual系のファン層は圧倒的に女性。で、ムーヴメントから一歩抜きん出るには同性ファンが必要。女性シンガーは女性から「私もあの人みたいになりたい」と思われ、男性バンドは「俺達もアイツらみたいになりたい」と、自分が歌ったり楽器を持たせたりするきっかけにならなきゃいけない。
dRESS: なるほど。
加瀬: んで最終的には"老若男女"って言う、巨大な壁が立ちはだかってるんだよね。面倒クセーよな(笑)。
dRESS: 女性ファン、男性ファンって言うのがお互いにそっぽを向いていたんじゃダメ。それを僕も感じ始めていて、そんな時に作ったのが僕と16歳の現役女子高生シンガーのユニット"BRACE;d"なんですよ。
加瀬: よっ、歳の差コンビ!(笑)。.....あ、年齢差はオレとサヤカ(サヤカimpossible)も一緒か(笑)。
dRESS: しかもwowowのアニメのテーマ曲でのデビューなんで、加瀬さんの"課長王子"が先輩にあたるワケですよ!。
加瀬: そう言えば担当ディレクターが一緒で驚いたね、こないだ(笑)。.....いや、その話はヤメとこう(笑)。
dRESS: BRACE;dのシンガーの川瀬は16歳なんですけど、けっこうそれよりも若い女の子達が憧れるタイプなんですよ。
加瀬: それはとても大事な事だね。彼女は芯があって、凄く通る声を持ってる。BRACE;dはave;newサウンドの中でもかなりブ厚い造りなのに、全然引けを取らないね。
dRESS: 僕も負けないっすよ〜(笑)。今、プロデューサーって凄く露出度が高くなってるじゃないですか。昔は完全に"縁の下の力持ち"だったのが、それこそプロデュースするシンガーと一緒に表舞台に立つようになって来た。そう言うコラボレイトだからこそ、出来る事があるし。
加瀬: オレ実は苦手だったんだよね〜。別に縁の下にいたいワケじゃ無いんだけど、可能な限り民主主義を装おうとする。どう考えてもproduced by加瀬竜哉なのに、ブックレットとかには書きたくないの。なんかそれを目にした瞬間、「ああ、"作られたモノ"なんだ」って思われちゃったらヤじゃん。最近ちょっといい加減開き直って来たけど(笑)。古い人間なんだわ。
dRESS: 今、ave;newとBRACE;dの存在によって僕はその両方をコントロールしていて、結果的にa.k.a.dRESSと言うひとりのアーティストがより深く完成するワケですよ。加瀬さんも自分で歌う立派なアーティストなんだから、受け入れないと!(笑)。
加瀬: アレは勉強よ、勉強!(笑)。

加瀬: .....で、だ。ave;newにはもうひとり頼りになるプロデューサーがいるワケだ。で、何故か都合良くさっきから目の前で呑んでたりするワケだ!(笑)。
根本: 待ってました!(笑)。
dRESS: 彼女は根本日出美と言いまして、ave;newのプロデューサーのひとりであると同時に、実はave;newの代表でもあるんですよ。でも、ave;newでは"ひでみゅー"なんですけど(笑)。
根本: ちなみにa.k.a.dRESSは"どれちゅ"、加瀬さんは"かせ☆たちゅや"ですけどね(笑)。
ハイ、じゃここからそれで行こう!(笑)。かせ☆たちゅやで〜す。役職は"おとな"で〜す(爆笑)。
"トモダチ対談"を見てる皆さん、コレ、マジなんですよ!。ave;newのサイトの"あべにゅうぷろじぇくと"って言うページでは"おとな・かせ☆たちゅや"なんです(笑)。.....で、ひでみゅーは実務以外でもシンガーの指導からレコーディング、そして仕上げの"トリートメント"等をする係ですね。
トリートメント!。それは良い表現だね。オレも何度か歌録りに立ち会ってるけど、彼女はシンガー達にとっての凄く良い"姉貴分"。この辺がオレが見習わなきゃいけない部分なんだよな。女の子の扱いはやっぱ女性に限る。でも、男性.....と言うか男子(笑)に対しても時には優しく、時には強く。とても理想的な、良いプロデューサーだと思うよ。
私、ニートな弟がいるんですよ(笑)。弟に比べればウチの子は皆とても素直な良い子達ですよ。
ウチ、けっこう彼女がいなくなった途端に歌えなくなっちゃう子とかいるんですよ。僕はいつも楽曲制作の方で手いっぱいになっちゃうんで、結果的には歌は彼女に任せて次の曲に取りかかったりしなきゃならない。で、実際に僕ひとりで全部出来るんならave;newは必要無い。でも、彼女がいてくれると完全に任せておける。その辺がave;newが音楽制作集団として成り立つ所以なんです。
なるほど、そりゃ頼もしいね。集中出来るし。
でも本当は歌のプロデューサーなんて必要無い筈なんですよ。歌う本人が何をどうしたいのか、どうすれば出来るのか、って言うのをしっかり出してくれていれば必要の無いポジションなんです。現状のあの子達では、歌い終わった後に所謂"後始末"も必要になって来ますし.....。
....ソレ、書いちゃって良いの?。酔っぱらってナイ?(笑)。
いやもう、全然OKですよ!。って言うかウチの子達、コレ読みなさい!(笑)。正直言って、彼女/彼等はまだ商品になり得るクオリティは持っていませんし、本来ならやるべきでは無い"技術的なエディット"もやむを得ずやって、ようやく人に聴かせられるものが出来ているのが現状です。今はまだ、オトナの手を借りないと作品にはならない子達なんです。.....ただ、それって"経験"に依存する部分が大きいと思うんです。
我々の目標はもちろん"楽しい音楽を提供する事"なんですけど、それ以外にも"シンガーを世に送り出す事"って言うのがあるんですよ。やっぱり何か光るものを持ってる子達にはチャンスを作ってあげたい。
だからこそ、理想的なクオリティに近いものを我々が手を貸して作って、本人には現実にそれに近づけるよう、努力をしなさい、って言うんです。さっき加瀬さんがDの話をしている時にも「伝えたい事がある」って言う表現をしてらっしゃったんですけど、それが一番大事な事なんです。だから伝えたい事がある子達にはそのチャンスを作ってあげたい。
一番どうにもなんないのは「なんでもやります」って言う子ね。そんなのアタリマエじゃん。それ以前に「オマエ、何がしたい/言いたいの?」ってのが無いとね。こっちがやる事は"引き出す"事であって、思ってもいない事を無理にやらせる事じゃ無いんだから。
だから伝えたい事がある人は、是非ave;newのオーディションを受けて欲しいですね。今いる子達は皆そんな子達ばかりですから。
.....オレも受けようかな(爆笑)。
キャー、是非〜!(笑)。
いや僕もね、今まで割とガールズ・ポップばかりだったので、これからもっと男性シンガーものをやって行こうと思ってるんですよ。今もウチに何人かいるんですけど。
使ってくれる?(笑)。

加瀬: .....さて皆さん、生まれ変わったら何になりましょうかね?(笑)。いや、最近そう言う本を読んでたモンで.....。
dRESS: そうですね、やっぱ何か作っていたいですかね。で、同じように男でいたいです。ぶっちゃけ、また音楽を創る男に生まれたいかな。
根本: 私、飽きるとダメなんですよ。なので、飽きない性格の女に生まれたいかな。
dRESS: この人、実は高校時代から知ってるんですけど、何かあるとすぐに「ワーッ!」って言って投げちゃうんですよ。それに比べりゃ最近は随分成長したんですけどね(笑)。.....加瀬さんは?。
加瀬: オレは"ダミ声の男"。
dRESS: ああ.....スティーヴン・タイラーですね(笑)。
加瀬: そ。ああ言う声に生まれて来てたら、絶対シンガーになってる。正直言って、今不満なのはそれだけだから。
根本: 先日加瀬さんのナマ歌を聴く機会があったんですけど.....加瀬さんファンの皆さん、イイでしょ?(笑)。いやもう、加瀬さんの歌声って凄く麗しくて、とても良いと思うんですよ!。
加瀬: 全然ダメ。それ、背が高くなりたかった背の低い人に「可愛いね、ちっちゃくって」って言うのと同じ(笑)。
dRESS: 僕ね、加瀬さんには"ソフト"に生まれ変わって欲しい。
加瀬: .....ソフト?。
dRESS: そう、ソフトウェア。で、自分にインストールしたい(爆笑)。「オレ、こないだ加瀬竜哉入れたぜ」みたいな(笑)。でもマジで、今の加瀬さんの目線から見えるものが見たい。それが果たして10年後の自分に備わっているものなのか、それとも解らないのか。
加瀬: 面白いのはね、丁度10年前って、オレが一番シーケンサーにハマってた時期なのよ。liveも同期使ってやってたくらい。しかも、女性シンガーを手がけ始めた頃だ。
dRESS: おお.....そうなんだ.....。じゃ、やっぱり10年後は加瀬さんみたいになってたら良いな。
加瀬: オレ、明後日以降の事は考えてないの。かと言って「今日と言う日を大切に」ってのでも無くて、明日のスケジュールを把握してるだけ。その証拠に、手帳っちゅうモンを持ってナイ。
根本: いや〜ん、カッコイイ!!。
dRESS: でもこんだけ忙しいのに、どうやってスケジュール管理してるんすか!?。
加瀬: 先方に「前の日になったらまた言って」って言うの(爆笑)。ひとりでやってるとそうなるのよ。.....じゃ丁度良いから、締めに"2006年の目標"でも宣言し合いましょうか。コレ、元旦アップだし。
dRESS: '06年は、"ゆっくりと"音楽を創りたいですね。まあキリの無い事ではあるけれど、常に毎回「ああ、後1日あったらもう一段階クオリティを上げられたのに.....」と悔やむ事が多いんですよ。加瀬さんって、もの凄く作業が早いじゃないですか。で、それは多分完全に"目的"を把握していて、しかもその為の方法論を全部知っていて、かつそれを出来るセンスを持っているから。羨ましいんですよね。
加瀬: 難波弘之(キーボーディスト)さんの言葉にね、「プロとは、自分にエクスキューズをしない事」ってのがあるの。コレ、6つの座右の銘のひとつね(笑)。「時間が無かった」は、どう言う状況であれ言い訳でしか無い。音楽を聴くリスナーに、そんな言い訳をしながら聴かせるワケに行かない。だから、1テイク/1アクションに、常に自分で責任を持たなきゃならない、って言う"クセ"を付けたんだ。
根本: 私は'06年はもうちょっと自分で曲を書きたいですね。'05年はアルバム制作やBRACE;dもあってあまり自分の曲が書けなかったので。ウチのシンガー達の事も、最近ようやく解って来たトコロなんですよね。なので、楽曲のクオリティに付いて来れるvocal曲、を目指したいですね。
加瀬: .....真面目だなあ(笑)。
dRESS: お、じゃあ加瀬さんからは面白い答が聞けるのかな?。
加瀬: いや、そんな事ナイけど(笑)。.....そうね、'05年は突発的な事にアドリブで対応して来た1年だったのね(笑)。
dRESS: ああ、Dのベースの件とか、タイヘンでしたもんね.....。
加瀬: 自分で歌ったりとか、加瀬竜哉.comとかもそうだったし。.....で、実はけっこう慌ててたので(笑)、'06年はちゃんと"形"にして行こうと思います。
根本: 早速新年一発目から、ave;newのアニメ曲仕事がありますよ!。ギターとミックス、宜しくお願いしますね!。
dRESS: '06年もave;new+加瀬竜哉のサウンド・チームがどんなに凄いか、見せつけてやりましょうよ!。この対談アップしたら、もうホントにすぐですよ。
加瀬: う〜んと.....また前の日になったら言ってくれる?(笑)。


《新宿おねぎや》
新宿区新宿3-10-5
03-5368-5225(無休)

a.k.a.dRESS
'77年3月/東京生まれ
バンド活動〜re-mixerを経て'03年7月、クリエイター集団"ave:new"を発起

根本日出美
'76年10月/神奈川生まれ
幼少の際からピアノに親しみ、大学生の頃からゲーム/CM音楽等の作曲を手がける

....ave;newによるゲーム音楽/TVアニメ曲、更にはave;new独自のオリジナル・アルバム制作等に於いてもミキシングやギター演奏等で加瀬が参加している。
最新作TVアニメ"かりん"テーマ曲"SCARLET/veil" by BRACE;d

"SCARLET/veil"
/BRACE;d

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