第3回 2007/01/01 up
guest/
 森久保祥太郎
place/
 某韓国料理店
main order/
 加瀬:杏露酒ソーダ割り
 森久保:生ビール〜マッコリ

加瀬: .....えっと、merry christmas。
森久保: merry christmas!。
加瀬: そーなんだよな、今日はchristmas eveなんだわ。オレらなんで男同士で呑んでんだろ?(笑)。
森久保: ま、いいじゃないスか!。さ、呑みましょ呑みましょ!!。
加瀬: え〜、トモダチ対談第3回目のゲストは森久保祥太郎君です。彼は皆さんご存知のとおり役者さんであり声優さんでありそしてシンガーでもある売れっ子。現在同じ声優仲間の石川英郎らとともに自己のバンドAn's All Starsで活動中で、自宅はほとんどスタジオになっちゃってる、と言う音楽バカ(笑)であり、生粋のrock'n'roller、ってトコかな。
森久保: あ〜、加瀬さんに音楽バカって言われんのマジ嬉しい!(笑)。加瀬さんはですね、もともと5年ほど前にAn's All Starsがアルバムを作ろうって話になった時にドラムの乙部さん(乙部ヒロ)に「だったら最高に力になってくれるヤツがいる」と紹介してくれて知り合ったんですけど、もうその時に"加瀬マジック"にはまってしまった(笑)。なんて言うか"共通言語"を持ってる人だな、と思ったんですよ。
加瀬: 共通言語ってナンだ?。
森久保: 例えばオレとかあんまり音楽の専門用語とかも知らないし、普通チンプンカンプンになっちゃうようなやりとりでも、加瀬さんはメチャメチャ解りやすい表現をしてくれるんスよ。オレが絵とか言葉とか、芝居的なアプローチで伝えると、同じような表現で返してくれたりとか。で、しかも最終的に出来上がったサウンドが完全にAn's All Starsのメンバー全員が眼に浮かぶものになってる!。そこにオレがいて、横にヒデさん(石川英郎)がいて、乙部さんが叩いてて.....って言う。ただの音楽じゃなくて、そこにAn's All Starsがいる。そう言うふうに音楽を作る人に初めて会った。
加瀬: ふ〜ん、なるほどね。確かにプレイヤーと言うかパーソナリティと言うか、キャラクターは大事にするかもね。でもま、それは個性の強いアーティスト達の集まりだからこそ出来ることだけどね。そう言う意味じゃAn's All Starsは相当個性の強い集団だ、ってことだよ。
森久保: 忘れられないのが、最初のアルバムの"あんずあめ"って言う曲のmixをしてる時、加瀬さんけっこう悩んでたんですよ。で、オレがその周りをチョロチョロしながらビデオカメラでレコーディング風景とかくつろいでる皆とかを撮りまくってた。結局その映像はあんずあめのPVに収録されるんですけど、ビデオを撮りまくったり加瀬さんの後でコソコソ編集してたりするオレを見て加瀬さんが「あ、このやんちゃさ加減で行こう」って言ってくれて、あの曲が完成したんスよ。
加瀬: ああ、覚えてる。オマエ、メチャメチャ悪ガキの眼してた(笑)。
森久保: そんなふうに加瀬さんと一緒にあのアルバムを創って、そのあとに別のエンジニアさんと作業した時にどうにも上手く行かなくて、以来オレ絡みの音楽仕事はほとんど加瀬さんにお願いするようになってしまった(笑)。
加瀬: 祥太郎は自分で作詞も作曲も宅録もするから、ある程度自分のイメージをメンバーやスタッフに伝える術は持ってるし、センスも凄く良いと思うよ。で、それを聴いたオレが君と同じものをイメージ出来るかどうか、だよな。当然相性もあるんだろうけど、今のところ上手く行ってる.....よな?(笑)。
森久保: 最近はその"共通言語"すら必要なくなった。もう加瀬さんに「よろしくお願いします」って言って、あとで「出来たよ」って聴きに行くともうバッチリ!。で、その加瀬さんが最近忙しくてあまりつかまらないんで困ってるんスよ。
加瀬: で、さすがにchristmas eveはクライアントがいなくてオレのスケジュールが空いてた、ちゅうワケだ(笑)。ところで祥太郎って役者も声優も音楽もやるマルチ人間だけど、そもそもどこから入った、と言うか何を目指して芸能界に入ったの?。
森久保: 音楽は親父の影響もあって元々好きで、最初は中学生の時にドラムをやってたんですよ。で、当時Mのマークが入ったドラムスティックを持ってる主人公が出てるドラマに憧れて.....と言うか小学生の時に好きだった女の子が、そのドラマに出てたオレが大ファンだった伊藤かずえさんにソックリだった、って言う理由なんですけど(笑)。
加瀬: ギャハハハ。不純な動機だ!。
森久保: で、自分もスティックに"M"マークをつけて尻ポケに突っ込んでた(笑)。ずっとバンドをやってたんですけど、高校生の時に親にドラムを買って貰ったヤツにドラマーの座を奪われて(笑)、しょうがなくてヴォーカルに転向したんですよ。で、実はオレは子供の頃から"お遊戯しながら英語演劇をやる"って言う劇団にいて、芝居の方はずっと続けて来たことでステップアップ出来てる自分に気付いた。で、18歳の時にその劇団の先輩達と新しい劇団を興してバンドは一旦辞めた。
加瀬: へ〜え。そうか、バンドはやりたかったドラムからヴォーカルにステップダウン(笑)した、ってことだもんな。
森久保: 丁度その頃は三谷幸喜さんの"東京サンシャインボーイズ"とかの新興劇団がテレビに進出して来た時期で、「オレ達もあんな風になろうぜ」って言ってた。その時から事務所に入ってたんですけど、オレの意識としては音楽は大好きだけど仕事じゃない、でも芝居は仕事にしよう、って決めたんです。で、声優なんですけど、オレ元々自分の声がキライだったんですよ。
加瀬: ウソ!?、そんなイイ声なのに!?。
森久保: 舞台をやってる頃は芝居はイメージ通り出来るのに、セリフがな〜んか違う。なんでこんなに浮ついた声なんだろ、って悩んでたんですよ。でも初めて声優の仕事をした時、自分が小さい頃良く見てたアニメとかの声優さん達がメチャメチャ楽しそうに仕事してて、「あ、この仕事いいな」って思って本気になって頑張ったんです。
加瀬: その頃は音楽は全然やってないの?。
森久保: 劇団の音楽担当になってましたね。まだ今よりも容量の小さなサンプラーとか使って、舞台用の音楽とか作ってました。で21歳の時にまたバンドを始めて、そこで今An's All Starsでベースを弾いてるヒロシ(宮城ヒロシ)と出逢うんです。そのあとちょっとしてラジオでヒデさんと"アンズジャム"って言う番組で逢って、An's All Starsが生まれて行くワケです。で、正直言うと役者としての自分には自信が持てるけど、音楽はまだまだ未知数。でも、一生辞めないのは音楽の方ですね。加瀬さんも色々やってて、もちろん最初音楽なんでしょうけど、まず楽器は何から入ったんですか?。
加瀬: ベース。
森久保: ベース!?、.....意外だなあ。なんでベース始めたんですか?。
加瀬: 高校に入った時に、前に座ってるヤツが吉田拓郎とかが好きな、ギターで弾き語りをやるヤツで、後に座ったヤツが親と「高校に入ったらドラムを買ってやる」って約束をしてたヤツなの。で、真ん中に座ってるオレに「オマエ、ベースやれよ。そしたら3人でバンドが出来る」って言われて「ベースってナンだ?」って聞いたら「一カ所しか押さえない簡単な楽器で、カッコ良いし、それで文化祭に出ればモテる」って言われたの。
森久保: 不純じゃないスか!(笑)。
加瀬: で、いざ始めたら「.....ちょっと待て。目立たないぞベース」って反逆して(笑)、「どけ!」って言ってギターだのドラムだの鍵盤楽器なんかもいじり始めた。んでしまいにゃ「オマエ、MTR買ってひとりでやれよ」「MTRってナニ?」「ひとりで色んな楽器を重ねて録音出来る機械」みたいな流れで加瀬さんが出来上がる(笑)。
森久保: へえ〜。.....でも加瀬さんって絶対音感とかあるじゃないですか。オレ絶対小さい頃から音楽教育受けてたんだと思ってた。
加瀬: あ、それは自信持って言える答がある。オレ、メインのギターがフェンダーのムスタングって言うギターなんだけど、ちょっと独特な造りで、絶対にチューニングが安定しない楽器なの。前に奥田民生がチャーに「チューニング狂いません?」って聞いたら「いや、アレは狂う以前に"合うワケがない"楽器」って答えてたくらい(笑)。なので、弾きながらもず〜っとチューニングし続けなきゃなんない。いつも正しくない音と戦ってるから、自然と身に付いた(笑)。
森久保: へえ〜、独学だとは思わなかった.....。そう言えば加瀬さん、「オレは歌のことを知らな過ぎる」って言っていきなりひとりで弾き語りツアーとかするじゃないですか。その時も思ったけど、普通ならそう言うギターは使うのヤメるし、歌も「知らないのはダメだ」って言って始めたりしないっすよ。オレ達みたいな出逢ったばかりのバンドのことをサッと見抜いちゃったり、声優や物書きとかもやったりとか、多分加瀬さんは行動力と判断力がズバ抜けてるんだと思う。オレが今やってる"なると"って言うアニメに相手の技を盗んでコピーしちゃうキャラがいるんですけど、それに近いものを感じる(笑)。
加瀬: 人はそんなオレを"器用貧乏"と呼ぶ(笑)。

森久保: オレは結果的に役者/声優/音楽、と広がって行ったワケですけど、加瀬さんは音楽以外、と言うか他の分野との出逢いとかはなかったんですか?。
加瀬: オレは多分、普通なら歳食ってから延長線上に進む道、例えばミュージシャンからプロデューサーに転身とかね。そう言うものを最初から見ちゃってたせいで、音楽業界の幅広さに取り憑かれてるのかもね。思いついて、作って、表現して、売り出す、って言う。その中にやることがいっぱいあってさ、あんまり他は見なかったね。特に今は"裏側"がけっこう面白い。
森久保: 結局.....多分オレも同じタイプなんですけど、究極は全部自分でやりたい!なんですよね。
加瀬: そうかもね。音楽家は作って行く作業だけど、裏方は音楽家が作ってからでないと何も出来ない。でも、自分で両方やれば同時進行が出来る。でも、ひとりでやってるものと決定的に違う面白さがあるのがバンド。実は最初にオレにそれを教えてくれたのは乙部だった。
森久保: あ、ソレ解る!。
加瀬: 正直、オレは自分のバンドには"イエスマン"を入れて、オレの指示通りにプレイして貰うことが多かったの。歌詞もオレが書くし、ステージの構成もMCも全部自分で決めてた。酷い時は右手でキーボード、左手でギター、足でペダルベース踏みながらインカムマイクでコーラスしてたくらい(笑)。で、ある日演奏の仕事で乙部と知り合って、細かい打ち合わせしてからスタジオで合わせるんだけど、アイツ全然違うことやるの(笑)。で、何回言っても「うんうん、解った」って言うクセに全然変わんない(爆笑)。でも、そのプレイが確かに予定とは違うけど、カッコ良かったんだ。だから、「もういいや、好きにやってくれ」って言ってから、そのバンドはもの凄いバンドになって行った。バックバンドなのに、しまいにゃメインのシンガー食われてた(笑)。
森久保: うわ〜解るなそれ。それぞれのパーソナリティがあって、曲を思いついて作ってる時点では「ここはこうして、ああして.....」と思うんだけど、それで一旦自分の中で完成したものを聴かせて皆でスタジオに入ると、なんか元のイメージと違っててジレンマがある。でも、An's All Starsの場合はそれが衝撃的なんですよ。ああ乙部さんだ、ヒロシだ、って言う。だから最近はまずAn's All Starsって言うバンドの絵を浮かべて、そこから自由に作るようにしてるんです。変に型にはまらないように。.....なんか加瀬さんと話してると、もっと気楽に曲作ろう、って思えて来る(笑)。
加瀬: ま、特に乙部はアナログ人間だからね(笑)。機械で作ったフレーズをヤツに押し付けるだけムダだし、それじゃ乙部がいる意味もないってことだよ。少なくともAn's All Starsは"プリセットのバンド"じゃない。
森久保: なんかオレと加瀬さんって似てるんじゃないかな、と思うんですよ。自分の中に色んな幅があって、コレはオレにとってこう、コレはこう、って言う。
加瀬: で、そのひとつひとつをメチャメチャ本気でやる、って言う(笑)。
森久保: 加瀬さんはアナログ・レコーディングの時代から今のProToolsって言うデジタルなものを扱うようになって行って、多分どっちの良さも知っててメチャメチャ上手く使い分けてる、って思うんですよ。
加瀬: アナログってさ、工夫しないと何も出来ないのよ。例えばビートルズが「このテープ、逆回しにしてみようか」とか言い出した時に、エンジニアは実際にテープを外して逆さにしないといけない。それが今は"reverse"って言うボタンひとつで出来る。これが便利でもあり、逆に想像力が育たない理由でもある。でも、reverseボタンのおかげで色々短時間で試せる。かと思えば今時実際にテープに録ってひっくり返してみたらデジタルとちょっと違ってて面白いね、とか.....ま、年の功なんじゃないの(笑)。
森久保: 今のところオレはデジタルに甘えてる状態。CDのオレは実際のオレの先を行ってる。同じことがライヴで出来なければウソだ、と。加瀬さんの技術やセンス無くしては、まだまだ自分が納得行くものは創れない.....いやー、実はそんな加瀬さんがAn's All Starsの新作ではサウンド・プロデューサーを担当してくれてるんですよね!。
加瀬: 押忍!!。頑張らせて頂いておりやす!!。.....そうだね、前作でけっこう良い感じでAn's All Starsのサウンドに貢献出来たと思うし、ライヴにゲストで呼んでくれたり、いつのまにかDVDにオレのコーナーが出来てたり(笑)、その後もマキシ・シングルや単発のタイアップ曲は一緒に作って来たけど、今回は更に音楽的に上手く貢献出来れば、と思っているよ。
森久保: けっこう前作では「エンジニアとして言うけどさ.....」みたいな切り口で色々アドバイスしてくれてて、でもな〜んかもどかしかったんですよね。ああ、加瀬さん遠慮してるな、もっと色々言って欲しいな、って思ってて。もうオレらの中では加瀬さんはAn's All Starsの6人目のメンバーだ、くらいの気持ちなんで、前作以上に中に入って来て欲しい、って思ってたんですよ。
加瀬: 別に遠慮じゃないんだけどね。バンドはまず、そのメンバーがバン!って音出した状態が全ての基本で、そこからのアレンジメントや肉付けはある意味"商品化"のための作業だしね。まずパーソナリティありき、ってことよ。
森久保: オレらだけでは解んないこと、ってあるじゃないですか。で、大抵そう言う時に加瀬さんは解ってる。今回録ってる曲の中でも、いっぺん煮詰まっちゃってて、実はヒデさんと「コレ、一度この状態でレコーディングしてみて、加瀬さんに意見貰ってからあらためてやり直しても良いかも」って状態で持って来ちゃったんですよ。そしたら案の定、オレらまだ何も言ってないのに加瀬さんからガンガンアイデアが出て来た(笑)。
加瀬: なるほどね、そうだったのかコノヤロー!(笑)。
森久保: そう言う発展性こそが、オレらが望んでいた状況なんですよ!。だから今はホントに6人で作ってる感じがしますね。

加瀬: 祥太郎さ、最近ハマってるものってナニ?。
森久保: 料理っすね!。
加瀬: へえ〜、料理なんかするんだ。でも仕事がら、ほとんど外食になっちゃったりしない?。
森久保: 朝はトーストとスクランブル・エッグしかやんないんですけど、夜はビール呑みながらつまむものが欲しいんですよ。で、自分で作る。んで何を作るのかと言うと、何処かの店で食べた美味かったものを、自分流に再現するんです。
加瀬: じゃ、お店でレシピ聞いたりとかすんの?。
森久保: いや、オレ絶対にレシピ通りに出来ない男なんですよ(笑)。ひとり暮らしを始めた頃なんかは"弱火で15分煮込む"って書いてあるのを、「それって強火で3分でいいんじゃね?」ってやっちゃうんで絶対美味くなんない(笑)。で、最近は反省して「弱火には弱火の意味がある」ってことにようやく気付いたんですよ。で、そう言う"待ち時間"を含めた料理の行程そのものが好き。
加瀬: 買い物とかも含めて?。
森久保: "アレ食べたい"って思ってからスーパー行ってコレとコレ買って、台所でコレをやってる間にコレを仕込んで、次にアレやって.....で、最終的に料理が完成して「さあ食うぞ」って言う時には、鍋とかフライパンとかが洗ってキレイになってて、でも料理は温かい、って言う瞬間に「yes!!」って思うワケです(笑)。
加瀬: そりゃ料理ってより行程フェチだな(笑)。最近「コレは上手く出来た」ってメニューはナニ?。
森久保: ソーメンにゴーヤとか入れて炒める沖縄料理で、"ソーミンチャンプル"ってヤツですね。上手く行くと携帯で写真撮ったりしてるんです(笑)。今度食べに来て下さいよ。
加瀬: そのうちさ、森久保祥太郎の料理本とか出したらけっこう売れるんじゃないの(笑)。
森久保: いやあ、まだオリジナル料理とか考えられないッスよ。今はそうやって何処かで食べて美味しかったものを「多分こうやるんだろうな」って再現してる、なんて言うか.....そう、ギターの"耳コピ"と同じレベルですよ。"舌コピ"みたいな(笑)。でも、いつかはオリジナル・レシピで本とか出したいですよね!。.....加瀬さんは最近何にハマってます?。
加瀬: オレは.....コレかな。
森久保: お、五本指靴下!。.....ソレって男の人で珍しくないスか?。
加瀬: いや実はオレも元々はバカにしてたんだけど、一度何処かの店で"五足千円"とかで買った時に良く見てなくて、ひとつ五本指のが混じっちゃったの。帰ってから気付いて最初は「参ったな、いらねえよコレ」とか思ってたんだけど、洗濯ローテーションの都合で(笑)いっぺん履いてみたのよ。そしたらまあ、こんなに快適なモノはない!。で、今や20足くらいに増えて(笑)、しかも五本指しか履かなくなっちゃった。
森久保: 加瀬さん、下着は何派ですか?。
加瀬: は?(笑)、.....まあ割となんでもアリかな。ボクサー・パンツとかローライズとかも。
森久保: オレね、ビキニ派なんですよ。
加瀬: オマエそんなこと書いてイイの!?(爆笑)。
森久保: 全然大丈夫!。バンツはピチピチ、靴下はユルユル、がオレの好みなんですよ(笑)。だから多分コレはオレには無理だわ。
加瀬: いや、オレもムリだと思ってたんだって。それが、履いてみると「こんなに快適なモンがあったのか!」ってなるのよ。
森久保: いや、オレ多分ムリっすわ。
加瀬: .....解った。今度プレゼントする(爆笑)。

加瀬: .....で、だよ。男ふたりでchristmas eveに寂しく呑んでんのかと思いきや、実は今日はAn's All Starsの2006年のレコーディング最終日だったんだな。よってここにいつの間にかメンバーが全員いたりする、と言う(笑)。
森久保: しかも実は今日、An's All Starsのhome pageでアルバム制作中、ってのが情報解禁になったんですよ。ね、ヒデさん!!。
石川(英郎/Vo): いや〜、やっとオレの出番か!。祥太郎、ハナシ長いわ(笑)。いやいや、5年ぶりのアルバム制作、今回は加瀬さんに完全にお世話になりっぱなしでサイコーに順調で幸せです(笑)。もう、まず加瀬さんのスケジュールをおさえてからオレらが合わせる、くらいで(笑)。
加瀬: 特に祥太郎とヒデは忙しい収録の合間を縫って歌録りしたりするんだもんな。
石川: いやでもね、今回ホンマに加瀬さんにはAn's All Starsの6人目のメンバー、って感じで関わって貰えてメチャ嬉しいですわ。そのメンバーでこうして12月24日なんて言う特別な日に集まれる、っちゅうのが嬉しいやないですか。
加瀬: ヒデにとってのAn's All Starsってなんだろう?。
石川: オレの中では"解放場"なんですわ。オレも祥太郎と同業なワケですけど、仕事はやっぱり仕事なワケですよ。でも、An's All Starsは自分達で考えて自分達で動かなきゃ何も動かない。ゼロから作り上げるのがAn's All Stars。なにしろ元々祥太郎とやってたラジオ番組で結成したユニットを、番組終了後にバンド化してこうして続けている、と言うくらいですから。こんな楽しいものはナイですよ。それと、自分はいったい何処までエンターティナーなのか、を試す場所でもある。仕事では出来ない部分まで、ここではあえてチャレンジしたい。
森久保: オレも同じですね。普段スケジュール管理されてる自分達が、自分達でスケジュールもお金も、魅せ方までも考えて行動する。それってやっぱり大事なことなんですよ。
加瀬: じゃあプロフェッショナル・ドラマー、乙部はどうよ?。君にとってAn's All Starsとは?。
乙部(ヒロ/Dr): いや〜、加瀬ちゃんとももう長い付き合いで.....。
加瀬: しかしオマエは予想を裏切らずに、相変わらずこっちが聞いたことと違うことを喋りだすね(爆笑)。
石川: 如何にも乙部さんらしいわ(笑)。
乙部: オレはセッション・ミュージシャンだけど、基本が"バンドマン"だからね。気の合うメンバーが集まってドーンと音を出す。それが全て。幾つかバンドをやってるんだけど、メンバーは皆兄弟みたいなもの。こう言うメンバーに巡り会えて、生きてて良かった、とさえ思うよ。
森久保: 乙部さんは乙部さんで色んな現場でドラムを叩くじゃないですか。その乙部さんがここにいてくれることにも大きな意味があって、普段仕事で叩いてる、ってのとは違う感覚でエンジョイしてくれる場だ、って言うのが嬉しいですよね。そう意味ではオレ達と同じ。
加瀬: ギタリストの左人さんは?。
左人(忠相/G): オレにとっては"ホーム・グラウンド"だね。必ず帰って来る場所、って言うか。やっぱ皆と一緒でしがらみとか計算とかで生きて来たから。でもここでは全てをさらけ出してplayすることが出来る。
石川: 多分、皆An's All Starsには自分の居場所があるんですよね。それぞれがサークル(円)の外枠だったり中にいたり、しかも全員が解放感を感じられる。多分そんな場所なんだと思いますよ。もうちょっとで10年ですしね。
加瀬: そりゃスゲエhappyなことだよ。なにしろオレは42年間そう言う居場所に巡り会ってない、ってことだからむしろ良く解る。
左人: いや、オレももうそう言うのはきっとないんだろうな、って思ってたんだけど、ここにあったんだよなあ。
石川: オレら、主張はあってもケンカってないんですわ。良くあるじゃないスか、メンバー同士で殴り合いとか、オンナ取り合うとか(笑)。
森久保: 多分それってAn's All Starsがさっき加瀬さんが言ってた"プリセットのバンドじゃない"からなんですよ。だからこそ難しいこともたくさんあるんですけどね。誰かが考えた企画に乗っかっちゃうと、楽かも知れないけど途端にプリセットになってしまう気がする。"only one"を目指すと風当たりも強いけど、それで上手く行った時の楽しさや達成感を目指してる集まりなんでしょうね。
加瀬: ヒロシは.....もう酔っぱらってるな(笑)。
宮城(ヒロシ/B): あ、えと.....べ、勉強の場です!。勉強させて貰ってます!!。
加瀬: は〜いOK(爆笑)。じゃ、ここでひとりずつ、2007年の豊富を語って貰おうかな。
森久保: オレは漢字一文字で"暴"です!。今年は暴れるゾ!って言う。2006年はAn's All Starsにとってはけっこう仕込みの年だったので、その分を出しまくってドッカ〜ン!!とやるのが2007年、って思ってます!。
石川: オレは"リセット"ですね。でも"ゼロから"と言うよりも、ここまで蓄積して来たものを放出する、と言う意味で。でも、まだオレは"暴"じゃない。それは2008年か2009年。
森久保: あ〜、ヒデさんがそう言ってくれるとなんか安心だな。オレ暴れるんで、多分丁度いい(笑)。
加瀬: わかんネエぞ。つられて暴れるかもしんネエぞ(笑)。
石川: 起承転結で言うと2007年は承。で、結はなくて、この先ずっと転転転転.....みたいな(笑)。
宮城: あ、オレは"意識の統一化"で〜す!。
加瀬: ハイハイ(爆笑)。左人さんは?。
左人: 今やっと畑が耕された感じなのね。で、そこにたくさん花を咲かせて実を作って、そして自分達で味わおう、と言う(笑)。
乙部: .....オレ、ちょっと個人的なことなんだけどイイ?。
加瀬: おう、ナンだ?。
乙部: オレ"フット・セラピスト"を始めたの。簡単に言やあ"足揉み屋"なんだけど。
石川: 乙部さん足揉みメチャメチャ上手いんスよ!!。
乙部: 人間、ひとりひとりツボも疲れてる場所も皆違う。で、それを「ココだ!」ってやって「あ〜気持ちよかった。ありがとう」って言われた時の感覚って、ド〜ン!!って演奏して「どーですかお客さん!!」って言う時のものと凄く似てるんだ。
森久保: なんかソレって乙部さんらしい、と言うかドラマーっぽい考え方ですよね。大きな打面のどこをどんな風に叩くかによって全然鳴り方が違う、って言う。
乙部: まあコレも含めて、バンドも何もかも"走り続けろ"ってトコだな。とにかくがむしゃらに前だけを見て走る年にしたい。止まったら終わり。40歳過ぎても、またスタートだ!、って。
加瀬: 40歳過ぎてからのスタートはメチャメチャ刺激的で面白いよ。そりゃオレが保証する。ただし、シンドイ(笑)。
森久保: じゃ、最後は加瀬さんに締めくくって貰いましょう!。加瀬さんの2007年は!?。
加瀬: オレ、や〜っとコレで後厄が終わるの(苦笑)。良く乙部とかとも話すんだけど、前厄〜本厄〜後厄って、ビビって何もしないでいるとあっと言う間に3年ムダにするな、と思って、実はメチャメチャチャレンジして来た3年間だったの。それでもちろん失ったものもあるけど、それを繋げる意味でも、皆と同じように漢字にするなら"実"ってトコかな。
森久保: その加瀬さんの"実"のひとつにAn's All Starsもなれたらイイなあ.....。
加瀬: じゃあ2007年は暴れつつ走りつつ足揉みつつ(笑)、実になるように頑張って行こう!ってことだな!。
石川: では、例の一言を!!。
加瀬: .....じゃ、本番行こうか!!。
An's All Stars: オ〜ッ!!!。

左から左人、乙部、加瀬、森久保、宮城、石川



某韓国料理店
森久保が入り浸っているため非公開(爆)

森久保祥太郎
'74年2月25日/東京生まれ。
声優/役者/ミュージシャン。
"おはスタ"(テレビ東京)で一世を風靡した怪人ゾナー役を始め、TVアニメ"なると"のシカマル役/サイボーグ009(平成版)002役(加瀬的ヒット)など、タレント/声優/ラジオDJなどで多くのヒット作やゲーム・タイトルを持つ売れっ子。ラジオ番組"アンズジャム"(文化放送)から誕生した同業の石川英郎とのユニットであるアンズを母体とするAn's All Starsの音楽的スポークスマン。'02年のアルバム"An's Jam"のレコーディングで加瀬と知り合い交遊を深める(このアルバムのどこかに加瀬の「じゃ、本番行こうか!」の声が収録されている.....)。現在加瀬をサウンド・プロデューサーに迎え、An's All Starsとしては5年ぶりとなるオリジナル・アルバムを製作中。
 AN'S ALL STARS
"AN's" official site
"森久保祥太郎" official site
album "AN'S JAM" DVD "あんず伝説"
〜We Start Before The Daybreak〜

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